●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 341-344頁  ★おまえはSPかよっ!

2019/05/26 20:17 投稿

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  • ライトノベル
ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
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【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。
これをきっかけに動画サイトの『東京音楽祭』に招待されることに!
中学生のルミたちが東京を目指す、パフォーマンスはいかに?


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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                   人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけに
コミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
「賢者のルミ」のコスプレイヤー。   

イメージイラストは ぽよん様提供。     
                  
                   滝沢エリカ
ポニーテールにティアラを着けた「エリカ姫」

コスプレイヤーで中学三年生。
イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。
リストカットした過去もあるちょっとワケあり
の美少女。
ルミをダンス動画作りに誘う。




                   白銀(しろがね)リン
ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

「天使のリン」をイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

 
イメージイラストはゆりぺっこ 様提供。

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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   341-344です

京都からやって来た中学生の女の子が、遠く離れた東京で、ネットで知り合った
顔も知らない人物と待ち合わせをしている。

目の前を行きかう大勢の人、ルミは今更ながら自分達の行動が怖くなってきた。

エリカさんの突発的な行動に流されて、勢いで東京まで来ちゃったけれど、
これって ……
よく考えたら、わたしたち、かなりヤバい事をしているんじゃないだろうか?

ネットで知り合った大人に会いに行くって、よく事件に巻き込まれた女の子の
背景説明パターンそのまんまじゃん!

そんでもってネットで叩かれまくられるの。

『顔も知らない男にヒョイヒョイ会いにいく子の気が知れないね』とか、

『もう中学生なんだから自己責任!』とかね。

ノーコンPさんがいくらミリオンアクセス達成のカリスマ作曲者だと言ったって、

『♪わたしの子宮にととけてーよー乳酸菌 摂って元気出せ! ドピュッ』 

なんて、お下劣な歌詞の曲を作っている人だ。

きっとキモオタだ、日長パソコンと向き合って楽曲作ってんだから、
色の白い肥満体で、美少女のプリントシャツでも着て来そうな感じがするよ

 ルミは今頃になって自分達の軽率さに怯える。

待ち合わせ相手のノーコンPとメールでやり取りをしていたエリカが、
スマホ画面から顔を上げた。

広場の対面から、スーツを着た男性がルミ達に向かって手を振っている。

エリカもそれに反応して手を振り返し、普段見せたことのないような笑顔を振りまき、
小脇を締めた女の子走りで男性に駆け寄っていく。

ゲロゲロ! 外面はいつもキリリとしているエリカさんが、
あんなブリっ子してるの初めて見たよ

エリカの行動にしかめっ面するルミ

初めまして、滝沢エリカです
 初々しい表情で爽やかな挨拶をするエリカ

エリカ組のみなさんですね
男性はエリカ達三人に対して声をかけた。

この人がノーコンPさん!) 

短髪でスリムな体型、仕事帰りのビジネスマンといった雰囲気、
ルミが想像していたのとは随分と違っていた。
面長で鼻筋の通った顔立ちも悪くはない。
歳は三十過ぎぐらいだが、中学生のルミ視点だと
父親の年齢に近いのでおっさんのカテゴリーだ。

こっちのメガネっ娘が本田ルミちゃんで、ベレー帽の方が白銀リンちゃんです
 エリカノーコンPに他のふたりを紹介する。

ルミちゃん? 今までエリカさんから、ちゃん付けで呼ばれたことなんて
一度だってないよ。

ひとの紹介勝手にしちゃってさっ、自分はいつものイカ大好物宣言しないのかねぇ、
ネコ被りめ!
)  

ルミは心の中でエリカにそう突っ込んだ。

初対面の大人を目の前にして、ルミは緊張で喋れないので、リンと一緒に
ペコリとお辞儀だけをした

リンも初対面の相手を警戒しているようで、コスプレイベントの時のような
営業スマイルも見せなかった。

出会ったばかりなのに、エリカノーコンPと親し気にお喋りしながら歩き出した。

エリカのキャリーバッグのハンドルを自然な仕草で握って曳き始める、
中々紳士な振る舞いである。

えっ、どこ行くのん?

 何も聞かされていないルミリンは、顔を見合わせたが、
前のふたりについていくしかない。


 リンルミに話かける。

ねえ、ルミちゃん、あのノーコンPっていう人、信用できますですゥかねえ?

さあ …… 
 初対面でルミもさっぱり分からないので冴えない返事しかできない。

いざという時の為に、うちは『御守り』を持ってきているのですゥよ
 そう言って、リンは首から提げている可愛い花柄のポシュエットを開けて中を見せた。
 それはお洒落な女の子が持ち歩くには、とても不似合いな小型の軍用ナイフだった。

な、なんで、そんなもの持ってきてるの?

『御守り』なのですゥ

それって、銃刀法違反になんないの? 持ち歩いてちゃヤバいじゃん

ちゃんとホルダーに入れてますですゥよ
 抗弁するも目が泳いでるリン

なるんでしょ!
 ホルダー付きであろうが違反である。

いつ何が襲ってくるか分かりませんから。
 エリカお姉様は、このリンが命に代えてもお護りしますですゥ
銃刀法違反は無視してリンは言い訳する。

だから、ルミちゃんは自分の身は自分で護ってくださいね

わたしは対象外なのね ……
 リンの話に苦笑いを浮かべるルミ

本気とも冗談ともつかない。
萌っ娘はRPGのやり過ぎで頭がちょっとおかしくなったんじゃね?

この平和な街、しかも真昼間に、何が襲って来るっていうんだよ。
モンスターゴブリンも居ないよ。
イカれた通り魔でも突然襲ってくるっていうの …… ウッ!

ルミはハッとした、通り魔という単語で思い出した。
そして、横を歩くリンの顔をあらためて覘いた。

長いまつ毛、妖精のような顔立ちをしたこの美少女には、
母親を通り魔に刺し殺された残酷な過去があったのだ。

リンちゃんにとって『刺し殺される』という事は、ニュースや遠いお話じゃない。
身近に起こった現実なんだ!

大切な母親を、唯一の肉親を失った悲しみと悲惨な記憶は今も消えちゃいない、
消えっこないんだ! エリカさんを護るためなら、相手を刺すことも躊躇わない、
マジで命を懸ける気だ。

軍用ナイフを『御守り』にしているのも、そういう理由なんだ


 リンの秘密を悟り、緊張で脂汗を流すルミとは裏腹に、
エリカノーコンPと楽しそうにお喋りしながら歩いている。

秋葉原の街をルミは前のふたりを見失わないように、
人混みの中でふわふわと揺れるエリカのプリーツスカートを黙々と追尾して歩く。

ねえ、ねえ、ルミちゃん。
 なーんかうちら他人のデートを尾行しているみたいですゥねえ?
 リンが再び不満げにルミに話しかけた。

全く同感だよ。実にツマラナイ。
 エリカさんは、わたしたちのことを放ったらかしにして、
ノーコンPさんと楽しそうにお喋りしてるっていうにさっ

 ルミも口をへの字に曲げて不満を言う。

 前を行くふたりが小さな交差点を渡り切ろうとした時、
エリカが歩道の段差につまき、あっと小さく叫んでヨロめいた。

それに気付いたノーコンPエリカの細い肩を抱きかかえるようにして受け止めた。

抱えられたまま、エリカの顔を見上げる、息が届くほどふたりの顔が近づいた。
思わず目があってしまうふたり、一瞬、世界の時間が止まった。

ギギギ! あのふたりは何をやってるですゥか!
 リンが目を吊り上げてイラつき言った。

 エリカノーコンPから視線を逸らした直後、ほんの一瞬だけ、
ルミの方を向いてニヤりと笑った。
そして、肩を支えてもらったノーコンPの腕に、そのまま絡みつくように掴まっている。
 まるで、恋人同士のような腕組み状態だ。

ギギギ! らしくない!
エリカお姉様は、なんであんな奴とイチャついてるですゥかねえ?

リンはポシェットの中に手を突っ込んでナイフを取り出さんばかりの勢いだ。

落ち着いてリンちゃん、あれはワザとだよ

えーっ、どういうことですゥか? あれがワザとなんですゥか ???

うん、エリカさん、絶対、何か企んでるよ。
何か分かんないけど、こっち見て笑ったもん

……

リンのイラつきがまだ治まらない。
ルミリンが暴走しないかと手を考える。

リンちゃん、うちらも手を繋ごうよ

いいですよ。ルミちゃん、うちと歩く位置を換わってくださいですゥ

えっ、どうして?

利き腕をふさがないためにですゥよ

腕を塞がないって、そしたらキャリーバッグを右手で持つから塞がるじゃん

バッグは自分の意志で放せますですゥ、
人と握りあう手はコンマ何秒か反応が遅くなりますですゥよ

…………

マジで萌っ娘は臨戦態勢を崩さない。

 おまえはSPかよっ!

ノーコンPさん、お願いだからエリカさんに変なマネだけはしないでおくれよ。
うちのSPが過剰反応して、うっかり御守りのナイフで刺しちゃうかもしれないよ。

何しろ、この萌っ娘はエスクリマ武術の体得者で、強盗を瞬殺したことだってあるんだから。わたし、止められる自信、全然ないから



(つづく)
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