●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 337-340頁  ★ついに来たよ、アキハバラ!

2019/04/28 18:32 投稿

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関西のJC三人組が東京のイベントに誘われて。ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
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【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。
これをきっかけに動画サイトの『東京音楽祭』に招待されることに!
中学生のルミたちが東京を目指す、パフォーマンスはいかに?


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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                   人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけに
コミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
「賢者のルミ」のコスプレイヤー。   

イメージイラストは ぽよん様提供。     
                  
                   滝沢エリカ
ポニーテールにティアラを着けた「エリカ姫」
コスプレイヤーで中学三年生。
イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。リストカットした過去もあるちょっとワケあり
の美少女。
ルミをダンス動画作りに誘う。




                     白銀(しろがね)リン
ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

「天使のリン」をイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

 
イメージイラストはPicrewの「こんぺいとう**メーカー」から制作  (link: https://picrew.me/share?cd=iAkbKW3BV8) picrew.me/share?cd=iAkbK… #Picrew #こんぺいとうメーカー   

        イラストレーター こんぺいとう**様 @Konpeito1025

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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   337-340です。

午前十一時過ぎ、ルミたちは東京駅に降り立った。
キャスター付の旅行カバンをガラガラと引き摺り、乗降客でごった返す駅の構内を
キョロキョロと案内表示を探しながら歩いていく。

先頭をゆくエリカが足を止めた。

ちょっと早いけどお昼にしましょう。 回転寿司ぐらいなら、おごってあげるわよ

エリカの言葉にルミは 心の中で小躍りする。
やったあ、エリカさんがおごってくれる!

 今回、ルミの小遣いは乏しい。旅費を工面するために、なけなしの貯金も叩いてきた。
 憧れの地、秋葉原、欲しいものが沢山ある、少しでも買う余裕がほしいところなのだ。

いつになく気前がいいなエリカさん。
なんてたって『エリカ組』のリーダーだし、年長者だからかな? 
それとも、わたしやリンちゃんを東京まで付き合わせたことに、
少しは気を使ってくれたのかな?

そんな風にエリカの心中を勝手に想像しながら、ルミは上機嫌でエリカに付いていく。


三人は改札を出て駅地下まで降りて店を探すことにした。
不慣れな地下街をウロウロと歩き回ってようやく一軒の回転寿司屋を見つけた。

 京都では聞いたことがない店名だったが、他に見つかりそうにもなく、
何より昼時に並ばず入れそうだったので、ここに入ることにした。

 三人は威勢のよい店員のお姉さんに案内されて、奥のテーブル席へ通される。
テーブルの傍らに旅行カバンを置いて、狭いビニルソファーへお尻を滑らせる。 

えっ! 百円均一じゃないの ……
価格表を見て思わず声を漏らすエリカ

ルミも無言だが表情が硬くなる。
さすが東京だ、物価が高いな……

 ルミが横目で様子を窺うとエリカは イカの皿を取っていた。
自己紹介で『好物はイカのお刺身!』とのたまうほど、
年長のお姉さんは イカ好きなのだ、一皿二百四十円也。

 奢ってもらえるとはいえ、ルミは遠慮して二百四十円以下の皿を探す。
レーンを次々と流れてくる皿を確認するも、どれもイカより高いものばかり。
卵焼きとか、カッパ巻きとか安いお皿は無いのかしらん?

イカの握りを食べようとしていたエリカの箸が、リンの取った寿司皿を見て止まった。

あわわ! 萌っ娘は、いきなり絵皿一貫盛り! 
一皿で五百円もするメチャ高いやつを取りやがった!

ルミエリカ同様、体が固まった。

忘れてたよ、萌っ娘がセレブなご家庭のお嬢様であることを……高いネタでも躊躇ないな

エリカも奢ると言った手前、年下のリンに高い皿は食べるなとは言いづらい。

リンがパクつく度に、エリカの顔が青ざめていく様子に、ルミは気が気でない。

彼女は 察しの悪いリンに、何とか気づかせようと何度も空気読めのアイコンタクトを
試みたのだが、ブレーキが掛かるのが遅かった。
ううっ、萌っ娘は、ちっこいクセにやたら大食いなんだ、一人で十五皿も食べやがった!

 レジ前でお会計の時、ルミとリンはエリカにご馳走様でしたと礼を言った。

心なしかポニーテールがしょげて見える年長者は、
どういたしまして」と力なく言葉を返し、代金の八千六百四十円全額を支払った。

ふーっ、あんまり食べた気がしない緊迫した昼食だったよ

ルミは 心の中でそんな感想を呟きつつ、秋葉原へ向かうために再び旅行カバンを引き摺り、
在来線へと移動する。

山の手線の車内には、東京→神田→秋葉原と電車の進行状態が液晶画面に
表示されている。

関西の電車とは、どことなく雰囲気が違う。

ルミは乗車中、初めて訪れる秋葉原という
場所にドキドキしながら緑色の液晶表示を
見上げていた。 

到着した秋葉原駅の構内は、黄ばんだタイルの壁が古めかしい感じがした。

しかし、駅の外へ降り立って見ると、電機屋の大画面スクリーンが大音響でCMを映し出し、ネットカフェやメイド喫茶の原色看板が並び立つ、その賑やかさはルミが思い憧れていた街の雰囲気で、彼女の心を踊らせた。

ついに来たよ、アキハバラ!

 派手な宣伝映像を次々と映し出す大画面スクリーンを眺めなら、オモチャ箱のような
街を歩
いていると、ウエストを絞った黒っぽいドレスに白いフリフリのエプロンをした人が
道行く人
に何やら配って廻っている。


ホラ、ホラ、見てルミちゃん!
 あの人、メイドさんですゥ!
本場のメイドさん、とっても可愛いのですゥ


 リンが興奮気味にルミの腕をグイグイと引っ張り、メイドさんに指を差す。

アルバイトの女性が広告チラシを配っているだけなのだが、リンのテンションは高い。
バイト中のメイドさんに近づいて、いきなり写真を撮らせて下さいとお願いしている。


ああっ、萌っ娘! あんたはお登りさんか!
恥ずかしいなあ、それはマナー違反だからダメだよ


人見知りのルミは 声には出せず、リンの行動に心の中で蔑視と突っ込みを入れていた。
しかし、萌え可愛い美少女リンの無邪気な笑顔にメイドさんもほだされたのか。

えっ、OKなの?

 意外なOKに、ルミのメガネが鼻筋から一段摺り落ちた。
そうと判れば、ルミエリカもこの機会を逃す手はないとアルバイトメイドと
一緒の写真を撮ってもらった。

お登りさん丸出しの行動である。

初めて歩く秋葉原、パソコンショップの前に
美少女イラストを全面にあしらった『痛車』が停まっていた。

『痛車』だよ、『痛車』! 
スッゲエ~、イベント以外でほんとに乗り回している人いるんだなあ

 イラストはピンク色のフリルドレスを着た魔法少女が、ネコっぽい使い魔
従えて道行く人にニッコリと微笑かけている。
 座席のカバーも大きな萌え絵でいっぱいだ。

 誰も乗っていないのをいいことに、リンはスマホ連写モードで勝手に撮りまくる。

なんて恥ずかしいやつ!

 そう思ったルミも、リンから手招きされると喜々として『痛車』と一緒に
ピースサインをして記念写真を撮る始末。

よく考えたら『痛車』以上に痛い行動をしているルミであった。お登りさんだから。


ね、来て正解だったでショ

そう言ってエリカがルミにウインクした。

正解? それは今回の東京行きを渋っていたわたしに対して? 
それとも幼馴染の死で落ち込み続けていたリンちゃんに対して?
そのことを気遣って誘ってくれたの?

いいや、考え過ぎかな。エリカさん自身も子供みたいにハシャいじゃってるし。

単にエリカさんのわがままなだけなような気がする、
だって三人揃わないとダンス出来ないし、音楽祭にも出してもらえないだろうし

ルミエリカの言葉をそんな風に考えた。

あたしたち、今夜はネットカフェに泊まるのよ、秋葉原の!

 別にネットカフェに泊まるのを目的にしていたわけではなく、予算的に
ホテル泊が厳しい結果なのだ。

実はちょっと憧れていたのよねえ、秋葉のネットカフェに泊まるのって

旅先でいつになくテンションの高いエリカ
年長のお姉さんといえども中学三年生、関西
在住の女の子にとっては、
宿泊難民のネットカフェ泊も、TVや漫画でしか知らない大人の世界に見えるのだ。

お土産も買って帰りたかったのに、昼食で予算オーバーしたのが痛かったわ

ポツりと本音を漏らすエリカ

それを聞いたルミは やらしい想像をする。

エリカさん、ここはオタクが集う秋葉原だよ。そこいらの人に靴下でも売ったら?
 モデル並みに細くて綺麗な脚をしている美少女エリカさんなら、
『生靴下』に相当いい値が
つきそうだよ。お昼代の八千円くらい軽く稼げそう。ぐふふっ。

 口には出さないよ、言ったら多分、わたしに脳天チョップするから

ルミ、あんた今、あたし見て笑ったでショ!

 ギクリとするルミ。 しまった、心を読まれたか!

 エリカルミの頬っぺの両端を手で摘まんで。
この頬っぺたが、ニヤニヤと歪んでいたわよ

ひてて(痛てて)、なんでもないれす。 思い出し笑いしただけれす~
 そんな言い訳でルミは 誤魔化した。


ルミたちは、その後も旅行カバンをゴロゴロと引き摺り、
カオスな秋葉原の街を歩き待ってから、駅前の広場まで戻ってきた。

さてと、まずはノーコンPさんに会わなくっちゃね。もう、ここへ来てるかしら?

 そう言って、エリカはスマホでメールを打つ。

 この広場で落ち合う予定のようだ。

ルミたちが東京まで来た目的は、『東京音楽祭』に参加するため。
ノーコンPからダンスパフォーマンスでの出演を誘ってもらったからだ

ノーコンPさんって、どんな人なんだろう?

 出演させてもらえる、その言葉を信じてやってきたのだが、不安を抱きつつ彼を待った。



(つづく)
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http://ch.nicovideo.jp/sonicvoice/blomaga/ar858417


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