●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 329-332頁  ★東京へGO!

2019/03/03 19:39 投稿

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ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
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【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。
これをきっかけに動画サイトの『東京音楽祭』に招待されることに!
中学生のルミたちが東京を目指す、パフォーマンスはいかに?


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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                   人公の本田ルミ
この春、中学生になったばっかりの女の子。
ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけに
コミュ障からリハビリ中。
 ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
賢者のルミのコスプレイヤー。   

イメージイラストは ぽよん様提供。     
                  
                   滝沢エリカ
ポニーテールにティアラを着けたエリカ姫

コスプレイヤーで中学三年生。
イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。
リストカットした過去もあるちょっとワケあり
の美少女。
ルミをダンス動画作りに誘う。




                   白銀(しろがね)リン
ルミ
がイベント会場で出会ったベレー帽が
トレードマークの萌え可愛い女の子。
本名は坂本サキ

天使のリンをイメージしたオリジナル
コス
プレイヤー。
実は狂犬サキの異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

 
イメージイラストはゆりぺっこ 様提供。

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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   329-332です。

―― 東京音楽祭 ――       

土曜日、午前八時過ぎの京都駅、新幹線のホームからアヒル顔の『のぞみ』
乗車口を閉じて静かに滑り出した。

その車中には、ルミエリカリンの中学生三人組がいた、今から東京へ向かうのだ。

秋葉原には行ったことないですゥ

あたしも、東京は通過しただけで、秋葉原にも降りたことないわ

関西生まれの三人は関東方面に縁がない、リンエリカ千葉県にある遊園地
行った時に 通ったことがある程度、ルミに至ってはそれすらなかった。

彼女達がどうして東京に行こうとしているのか? 話は一週間前に遡る。

ルミエリカから秋葉原行きを誘われた。
否、『誘う』という言葉には、誘われた方の意思が 少しは尊重されるものだが、
超が付くほど自己中心的に振る舞うエリカのお誘いは、拒否が許されない命令だった。

ポニーテールの年長者からの電話。
もしもし、ルミ! 次の週末に、あたしたち東京へ行くわよ

ええっ! 何しに?

あまりにも唐突な誘いに、ルミは困惑する間もなくエリカのペースに引きずられる。
『東京に行かない?』という誘いの言葉ではなく、それは決定事項の通達だった。

東京音楽祭に行くのよ

ええっ! 東京音楽祭って、投稿動画のイベントのアレ?

そうよ、人気の音楽系投稿者を中心に秋葉原でライブイベントするアレよ。
ノーコンPさんがね、あたしたちを誘ってくれたのよ

ノーコンPさんというのは、ミリオンヒットを成し遂げた楽曲投稿者で、
倫理規定ギリギリのエッチで過激な歌詞ビートの効いた斬新的な曲
カリスマ的な人気を誇っていた。  

ルミ達は彼の楽曲を使ったコラボまがいのダンス動画を作った縁でと交流があるのだ。

コラボでなくコラボまがいの動画というのも、エッチでおげれつな歌詞を
リンに萌えボイスで歌わせ、楽曲使用の承諾を得るためにエリカから直接
ノーコンPへ動画ファイルを送り付け、
承諾してくれるなら、そちらで動画アップしてくださいと申し入れをしたのだ。

これはルミの考えた作戦で、承諾可否の選択権を相手に与えてはいるが、
美少女コスプレイヤーであるエリカから頼まれた相手は、まず断れないだろうと
ルミは踏んでいたのだ。

カリスマ投稿者に 自分達の動画をアップさせる、他者にコラボ作品だと思い込ませる、
中学生とは思えない悪魔のように巧妙な策略だった。

ノーコンPから誘われた『東京音楽祭』は、アニソン人気オリジナル曲
メドレー形式でライブ披露するイベント。
人気の歌い手や演奏家が集まるお祭りだ。

昨年もその様子を映した動画のアクセス数は、二百万以上、これがきっかけで
プロデビューした人もいるくらいだ。

ルミも見て知ってはいたが、音楽ライブにそれほど興味があるわけでもなく、
プチ引き籠りな自分としては 部屋で配信動画を見ているだけで十分、
わざわざ東京まで出かける気にはならなかった。

どうやって断ろうかと考えていたら。
あたしたちもライブに出るのよ

ええっ!?

 エリカの言葉にルミは耳を疑った、
漫画なら目玉が飛び出してメガネを突き破っているくらい驚いた。

なぜ、中学生の自分達が いきなりライブに出ることになるのか? 
エリカの話が全く飲み込めないでいた。

 ルミは声を震わせながら恐る恐る尋ねた。
もしもし、エリカさん、ライブに出るって? 観る方じゃなくって、出る方?

そうよ、出る方よ
 さも当然といった口調で答えるエリカ

……音楽なんて一欠けらもやっていないわたしたちが一体何をするの?

あら、あたしたち『エリカ組』は、もちろんダンスパフォーマンスに
決まっているじゃない。

『ファンタジア学園』のオープニングのやつ。アレでいきましょう

『ファンタジア学園』のオープニング曲に合わせたダンス動画は、
ルミの考えた『制服の生着替え』演出で好評を得たデビュー作品だ。

 ルミは頭の中でグルグルと考えた。
気安く言ってくれるよ、エリカさん!
 わたしたちが作った動画は、カラオケボックスで何度も何度も撮り直しして
良い所取りして編集したんだよ。

 ライブは生の本番一発勝負、おまけに大勢の観客の目に晒されながら、
ステージの上で踊らなくっちゃならない。

カラオケボックスでの撮影とはワケが違う。
 コミュ障の自分はステージに立つだけでも、足がすくんでチビってしまいそうだよ

 想像するだけでルミは身震いした。

ルミ? さっきから黙ってるけどステージに立つのが怖いとか、
チビりそうだとか考えているんじゃないでしょうね?

……勝手に人の心を読まないでください

プッ、図星ね。 失禁パフォーマンスってのもノーコンPさんが好きそうね

やめて~
 ルミは半泣きになりそうな声を出した。

冗談よ、冗談に決まってるでしょ。
 大丈夫だって、あんた気分が乗ったら、憑りつかれたみたいにハイテンションに
なるタイプじゃない、本番にはきっと強いは

あう~、何を勝手な……

だからね、東京へ行く準備しときなさい。 お金がちょっとかかるわよ

お、お金? 交通費出ないの?

何言ってるの、自腹よ、自腹。 一泊するからホテル代も考えておいてね

ええっ、自腹なの~! 
京都から東京までの新幹線代だけでも●万円するじゃん! それにホテル代も!

よろしくね

 最後っ屁のように 自己負担を告げたエリカは 電話を無慈悲に切った。

エ、エリカさん!
 ルミは泣く泣く、小学生以来のお年玉貯金から工面するハメになったのだった。

 そんな一悶着も二悶着もあったのだが、とにかく三人は東京に行くことになった。


♪あっき、はっばらぁ~
出発早々からルミはご機嫌だった、音楽祭の開催地が秋葉原ということで、
オタク少女の心がときめいていた。

それと、コミュ障の彼女にとって、学校行事以外で友達とだけで旅行することが、
とても充実した青春を過ごしている気分になれた。

ねえ、小学生と違って、何だか卒業旅行みたいだよね。
あっ、中学生でも卒業旅行なんてしないか

 いつになく冗舌なルミ

 今回の旅行は一泊するのだが、親には内緒にしている。
 以前、ルミの家にエリカ達が泊まりに来たのでエリカの家に泊まりに行くと言うことに
しているのだ。今晩、ルミの母親からかかってくる電話には、エリカが声色を使って
誤魔化す算段になっていて抜かりがない
 そんなドキドキした秘密がルミのテンションを異様に高めているのだ。

さすがに東京に行くとなると、女の子たちは服装に気を使う。
 滝沢エリカは桜色のキャミソールに短いジャケット、ひらひらのミニのプリーツスカート、スラリと伸びた足先は、春らしい紫色のパンプスでまとめている。

 もちろん、『エリカ姫』のコスプレイヤーとしてのアイデンティティーである
ポニーテールに いつも通りカチューシャタイプのティアラが燦然と輝いていた。
彼女は信念のように街中でもコスプレを解かず、ティアラを外さないのだ。

 せっかくのお洒落なコーデも、このティアラ残念臭を醸し出してしまっている。

 でも、本人はガンとして譲らない、譲る気など全くない。

ティアラはアクセサリーよ、アクセサリー!
 東京じゃ、もっと変な恰好した人だっていっぱい居るじゃない。あたしテレビで見たもん

エリカさん、自分でも変な恰好って自覚あるんですね

ウウッ うるさいわね!

 エリカルミの脳天、ツインテの分け目に軽くチョップを入れた。

 一方、イベントでは人気レイヤーである白銀(しろがね)リンは、
街中ではコスプレしない社会常識をしっかり持っている。

 セレブな彼女は お洒落上手だ、
今日のコーデはルーズベレーと呼ばれる大きめのベレー帽をラフに被り、
ギャザーの入ったミニのワンピースで腰の布ベルトが個性的で愛らしい、
センスの良さが光ってる。

 プチ引篭りのルミは、小遣いの大半をゲームと漫画本につぎ込んでいて、
服装には無頓着だ。

 カジュアルシャツにチェックのスカート、首にバンダナを巻いて頑張ってみたもの、
中途半端な中二病臭のする微妙な感じになっていた。

(つづく)
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