●ニコ動連載小説『コスプレ少女ルミ』 

『コスプレ少女』外伝ソニックボイス  321-324頁  ★お姉さんは頭使こうてんねん

2018/12/31 22:24 投稿

コメント:2

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ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。ミステリアスなレイヤー白銀リンは小学生の頃には族を相手にヤンチャしていた!? そんな悪童時分の秘話。
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【連載小説 コスプレ少女】 コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、
 イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの
 白銀(しろがね)リンと出会う。

 白銀リンルミ出会う前の小学生の頃、姉貴分の遠藤マリとふたりでヤンチャしていた。
 

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07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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【登場人物紹介】                
                     白銀(しろがね)リン

ベレー帽がトレードマークの萌え可愛い系の
コスプレイー。

本名は坂本サキ
実は狂犬サキの異名をもつ、街の不良からも
一目置かれるほどの喧嘩猛者。


イメージイラストは、海冥様ご提供の
3Dモデルから。

          


             遠藤マリ
                       リンの幼馴染。二つ年上。
                       フィリピンの古武道エスクリマの達人。
 遠藤マリのイメージ画募集中!                       

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 当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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   321-324です。

遠藤マリは二本のオリシ棒を両手に持ち、バタフライナイフで迫ってくる相手に身構えた。

サキちゃんは手を出さんといてや!
 妹分のサキをそう諭すと、中学生の遠藤マリは、果敢にも大人相手に独りで立ち向かう。

「ホホウ、ナイフを見てもビビらねえとは、中坊のクセに大した度胸だな」
 相手はナイフを操りながら、ジリジリと迫る。

 マリは少しも臆することなく、むしろ好物でも見つけたように不敵な笑みを浮かべている。フフッ、エスクリマは刀剣相手に発達した武術や。ナイフなんぞでビビるかいな

 そう、エスクリマはスペインの侵略を受けたフィリピンの民が、
木の枝を手に抗う術として生まれた悲しい歴史を持つ武術なのだ。

 ゆっくりと八の字を描くように、二本のオリシ棒を回し始めるマリ
オリシ棒は 堅い樫の木で出来ているので重いのだが、彼女のオリシ棒は
軽量化のために細く削り出してカスタマイズしてある。

マリに漂う油断ならない雰囲気を感じ取ったのか、相手も容易には間合いへ入ってこない。
バタフライナイフをせわしなくカシャカシャと鳴らしながら、隙を窺っている。

互いに出方を探り合う。

あまり時間はかけたくないな ……
 仲間もおるし、やつらはタイマンに拘っているわけでもないからな ……

マリは利き足を前に出す振りをして、相手を誘いに出た。
普通、前方へ攻撃に出る時には、利き足と逆の足に体重をのせて地面を蹴って前へ出る。
だから、利き足に体重がのっている時は、踏み込みが遅くなる、
相手側にとっては攻め時になるのだ。

マリの誘いに乗せられて、男が鋭く前へ踏み出てきた、その瞬間を逃さずカウンターに出る。剣道の面抜き胴のように、男のナイフ攻撃を風のようにかいくぐる。
ふたりの体が交差、互いに背を向いたままで足が停った。

マリが右手のオリシ棒を上向けに立てている、その先端にはクルクルと光るものがあった、
男のバタフライナイフだ。

「な、なにい~!」
 握っていたはずのナイフが消えた、男は空を掴んでいた自分の手のひらを見て驚愕する、見る見る顔が青ざめていった。

バタフライナイフは指が入るような穴が空いているデザインだ、
マリはその小さな穴をすれちがいざまに オリシ棒で突き刺し、奪い取って見せたのだ。

速い、まるでマジックのような早業に、男は顎が外れたかのように口を開けたまま
固まっている、周りにいた半グレの仲間達も 呆然としていた。

ただ、傍らに居たサキだけが、胸の前で合わせた手で、小さな拍手を送っていた。

 マリはオリシ棒の先の奪い取ったナイフを 暫くクルクルと得意げに回していたが、
決着が着いたと見るや遠くへ弾き飛ばした。

そして、ナイフを奪われ、まだ背中をみせたまま固まっている男に近づいて、
後から首を刈るように腕で首絞めする。

押さえつけた男の脇腹にオリシ棒で何度も突つ仕草を見せつけてから、
男の耳元にドスを効いた低い声でこう囁いた

エスクリマはナイフ相手に発達した武術や。
ほんまは奪ったナイフで、こうやって脇腹を
刺して仕留めるんやけど、
うちは連れのサキと
違って理性があるからな、刺す真似だけや。

 あの子が暴発してたら、あんたら全員、病院送りやで。
タマタマも潰されて中身をこの冷たいコンクリートの床にぶち撒けられてたかも知れへん。
クックックッ

 そう脅してから、突き倒すようにして男を解放した。
他の半グレの仲間達も、マリのおぞましい文句に戦慄し、あたふたと地下駐車場から
逃げ出していく、連中は損得で動いているので、割に合わない仕事と早々に見切ったのだ。

 半グレ集団を撃退したマリ、彼女の足下でペタン座りのサキが、頼もしい姉貴分の彼女
見上げ、その闘いっぷりを称賛する。

さすがマリちゃん、凄かったなあ。
 でも、うちのことをまるで悪魔の申し子みたいな酷い言い方してた!

 白い頬っぺをプクっと膨らませて少し憤慨してみせるサキ
猛獣のように怒り狂っていた時と違って小学生っぽい表情だ。

だって、ほんまの事やろ。
 サキちゃんがマジギレしたら手をつけられへんからな。

 ナイフを奪うパフォーマンスは、サキちゃんのスピードプレイをちょっと真似して
みたかったんや。相手も驚いて戦意喪失するし

どうして、みんなやっつけなかったの?

六人も相手するとなるとサキちゃんの面倒まで見られへんからや

うちの面倒? そんなの要らないよ

サキちゃんを抑えておくという意味でや

うちを? 抑えておくって ……

ええか、闇雲に喧嘩するもんやない。
 もし、あいつらをボコってたら、後々ずっと半グレの連中と揉めなあかん。

 あいつらは単純に小遣い稼ぎで来ただけや。
 ケガさせんと帰してやったから、面子も保てるやろうし、
うちを襲うように依頼した赤城には、何とでも言い訳を考えよるやろ。

 それにマジギレサキちゃんの怖さも、たっぷりと吹きこんでおいたから、
安い報酬では うちらに手を出さんようになるで

ふ~ん、マリちゃんは色々考えてるねんなあ。
 最後のうちの事は、余計やけど
 マリの思惑に感心するサキ

そやで。お姉さんは頭使こうてんねんで
 腕組みして、顎を突き上げ威張ってみせる。

ププッ
 年長者ぶるマリの仕草にサキが吹き笑いを漏らした。

何、笑ろとんねん!
 そう言いつつ、マリも破顔する。 顔を合わせて笑い合うふたり。

 マリは座り込んでいるサキの手をとって、立ち上がらせてやる。

お腹大丈夫か? 骨とか、いってないか?

 バイクに襲われた時、サキが脇腹を押さえていたので気遣った。

うん、骨はいってない。多分大丈夫

そうか、無事か。ほな。そろそろ帰ろか

 ふたりは手を繋いで、入って来た階段口に向かい、暗い地下駐車を後にした。


  ―― 伝説になった狂犬 ―― 

 坂本サキは 障害沙汰で何度も少年鑑別所家庭裁判所の世話になっている。
最後に警察沙汰となったのが小学六年生

 そして、遠藤マリは中学二年生なっていた。

この時、マリは既に片目を失っていた、サキとエスクリマの組手を練習中、
肘打ちを顔面に受けてしまい、左目の眼球が破裂したのだ。

「ガキだからって容赦しねえぞ、ゴラア!」
JR線の線路を潜る小さな地下道に、怒声が響き渡る。
マリは冷たいコンクリートの床に蹲り、集団リンチを受けていた。

相手は金融会社の社員達、社員と言っても借金の取り立て屋、
その筋の者と変わらない連中だ。
既に陽は暮れていた、地下道の照明が、少女を取り囲む異様な集団を照らしていた。

スーツこそ着ているものの、手には金属バットを持った強面の大人が、
少女の足に容赦なくバットが打ち降ろしていた。

後に遠藤マリが片足を引き擦るようになるのは、この時の暴行によるものだ。

額に青筋を立て、怒号が飛び交わせながらリンチは続いた。

 取り立て屋連中が、中学生のマリを相手に怒り狂っているのには理由がある。
 遠藤マリの母親は麻薬中毒で、仕事もほとんどしておらず、
この金融会社に借金をしている。 

金融会社が、マリの眼球破裂事故の補償にまで絡み、サキの親を強請ろうとしてきたのだ。

 これに怒ったマリが、何と金融会社の事務所を手製の火炎瓶で襲撃したのである。

ペットボトルにシンナーを詰めた火炎瓶を事務所の床に思いっきり投げつけ、
派手な炎が室内に渦巻いた。テロリスト並みの所業である。

 マリ本人は警告のつもりだったが、少々インパクトが強すぎた、追いかけ回されたあげく、運悪く脚を絡めとる重石の付いたロープの飛び道具にやられてしまった。

 意識が遠のいていく中で。
嗚呼、あかん。このまま死ぬのか?

既に陽は暮れていた、ローカル駅の小さな地下道は、電車の乗降が無ければ人通りはない。 彼女はレディース『狂蘭(きょうらん)』の幹部なのだが、その筋相手では
誰も彼女を助けに来ようなどしない。

 保護観察中の身のサキには、巻き込みたくなかったので、敢えて連絡していなかった。

でも、薄れゆく意識の中で 想い浮かべるのは、親の顔ではなく、唯一サキだけだった。

 マリにとって家族以上の存在、自分が心許せるただ一人の存在。

サヨナラ、サキちゃん ……
 マリサキとの別れを、を覚悟したその時、地下道の遠くの方で、
ガシャンと何かが壊される音が地下道に響いた。

一瞬、チカチカと灯りが点滅してから消え、辺りは真っ暗闇となった。

つづく
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コメント

フラウボウ18
No.1 (2020/06/19 17:22)
私21歳8歳の息子のシングルマザーイツッモセーラ―福を着てお出かけしてます。普段はストリッパーdesu.16kara
Sonic Voice (著者)
No.2 (2020/06/19 22:04)
フラウボウさんって何者ウサか?
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