ガンバ大阪の最前線には、宇佐美貴史がいる。その存在感を改めて強調した前半戦だったが、今はまだ、進化の過程に過ぎない。自分だけの“色”をもっと奇抜に、自分だけの“思考”をもっと尖らせて―。頭の中で果てしなく広がる独自の世界、その一端を言葉にする。
[Jリーグサッカーキング9月号掲載]
■「インタビューは真剣勝負」
午前9時から始まった練習を所在なくぼんやりと見届けた後、ファンサービスに向かう宇佐美貴史を追い掛けるようにしてクラブハウスに戻った。
2階奥の会議室でバタバタと準備を済ませてしばらく待つと、「よろしくお願いします」と小さくつぶやきながら、うつむき加減の宇佐美が入ってくる。
「俺、気分屋ですからね」
1時間後にそう言ってニヤリと笑った彼とは、まるで別人である。正直に言えば気だるそうな、もっと言えば面倒くさそうな雰囲気をインタビュー前に《あえて演出》するのは、ガンバ大阪の絶対的エースとして、
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