時にはシラス.の話を

【ネタバレ】TB03考察〜『屋根裏の道化師』事件は見立て殺人である〜【ミリシタ】

2018/12/03 22:03 投稿

コメント:2

  • タグ:
  • アイドルマスター
  • ミリオンライブ
  • シアターデイズ
  • ミリマス
  • ミリシタ


★警告★
このブロマガは
THE IDOLM@STER THE@TER BOOST 03 屋根裏の道化師
の重大なネタバレを含んでいます。

未視聴の方は視聴後にお読みください。






THE IDOLM@STER THE@TER BOOST 03、発売されましたね!

公式な詳細はこちら
https://www.lantis.jp/imas/release_LACM-14813.html



ミリオンライブのCDを買うのはTHE@TER ACTIVITYIES(以下TA) 03以来という私。

もともとアイマスのドラマCDはそこまで得意でなかった私ですが、ミステリィな空気感に興味があるのと、イベント楽曲『ラスト・アクトレス』にかなりハマってしまったのをきっかけに購入を決意。

期待が高ぶるあまりニコ生で同時視聴生などというものまで開催し初視聴を捧げてしまいましたよ。

タイムシフトはこちら(視聴期限あり)。


で、全編通して聴いてみたんですが……。


イイですね!


全体を覆うシリアスで陰湿な、アイマスらしからぬ空気。
声優、そしてアイドルたちの熱のこもった好演技。
イベント楽曲アレンジの劇伴も大変オシャレ。
60分を超えようかという、言うことなしの大ボリュームなドラマパート。
そして到底ハッピーとは思えないイヤミスな幕切れ……。

ドラマCDで劇場を舞台にしたサスペンスをやろうとするとかなりの情報を削ぎ落とさなくてはならないことは想像に難くありませんし、実際のところ伏線も少しガバい点があるのは否めません。綿密なシナリオだったな(鏡写しで43と書かれたカードを見ながら)。
でも、それすら『行間』なのでは? と錯覚してしまうくらい濃厚なキャラ造型にかなり満足しております。
一時間近い尺にもかかわらず熱中して聴けるドラマパートにアイマスCDの進化を見た気がしますね。

ですが、尺の都合か脚本の都合か明かされなかった真実がいくつもあります。

かつて劇場を震撼させた屋根裏の道化師の正体とは?
コレットの母親はどんな人物だったのか?
結局シンシアとはいかなる人物なのか?

謎は尽きませんが、そのあたりはリリイベとか設定資料で明かされるかもしれません。
ですが、今の段階でどうしても言及したい部分がひとつだけあるんです。

それは、

「『屋根裏の道化師』事件は、見立て殺人の可能性が高い」

ということ。

はたして、一体どういうことなのか?
というのを解説するとそれなりの長さの文章になってしまいますので、ブロマガという形で世に投げることにしました。
というわけで、ミリオン座で起きた惨劇『屋根裏の道化師』事件について、私なりに考察していこうと思います。みなさまがこの傑作ドラマCDをより好きになるきっかけになってくだされば幸いです。


★見立て殺人

『屋根裏の道化師』事件は、見立て殺人の可能性が非常に高い。
まずは最初に「見立て殺人」についてご説明。

見立て殺人というのは横溝正史の『犬神家の一族』、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』などのように古い童謡や鉄道案内なんかに『見立てて』次々と人が殺されていくような、アレです。順番に殺していく手前、例外ができると破綻してしまいますのでかなり計画性のある連続殺人になることがほとんどです。


▲一晩で読めるくらいの長さもグッド

そして、見立て殺人は殺害方法にバリエーションが出るのも特徴であり魅力でもあります。クリスティの『そして誰もいなくなった』の場合、童謡に『熊に抱きしめられる』とあるから熊の置物を落とされて死亡! とかそんなんです。
「くさったおにぎりで食中毒をおこす」みたいな情けなさがイイですね。


★被害者の考察

しかし、いかんせん60分のボイスドラマですから小説やドラマに比べて情報量が大変少なく、何か一つ考えるのもなかなか骨が折れます。特に劇場の間取りや部屋の距離、犯行の時刻はほとんど描写されておらず、わかるのは死体の様子と第一発見者くらいのもの。
それでもこれらを手がかりに考えねばなりませんので、まず一度それぞれの犠牲者について整理してみましょう。

今回の事件では5人が犠牲者になりました。

・プロデューサー……第一の犠牲者。毒を飲まされ死亡。外傷はなかった。死ぬ前に苦しむ声が聞こえたという。死亡時、部屋には鍵がかかっており密室状態だった。最期に会ったのはコレットであり、彼女が当日の鍵当番だった。

・マドリーン……第二の犠牲者。劇場の女優。レンガで頭部を殴られ死亡。早朝、中庭の花壇を訪れたシンシアによって発見される。コレットに自首を促していた。

・モニカ……第三の犠牲者。劇場のスタア女優。ナイフで胸を一突きされ仰向けに倒れ死亡。ドアをノックしても返事がないことに疑問を持ったシンシアの知らせで事件が発覚。部屋からはピアノ線、血のついたナイフ、リトルミルズの仕掛けが発見される。コレットと事件について口論となった。

・ミルズ……第四の犠牲者。劇場の支配人。警察に追い詰められ、劇場の隠し扉を使って逃亡するも自供を綴った遺書を残して自殺。部屋からは一連の事件の証拠品が押収された。マスターキーを持っている。コレットの父親であり、今回の事件で彼女を庇っていた。

・コレット……第五の犠牲者にして犯人。劇場の期待の新星。舞台『屋根裏の道化師』を永遠のものとするため、逮捕を拒み舞台のバルコニーから奈落へ飛び降りて落下死。死の直前ウォーカー探偵と対峙していた。自分の演じる『道化師』のリアルさを追求するため一連の殺人を犯した。


見返してみるとなかなかバリエーションがありますね。

ん? バリエーション……?


ウン、これは見立て殺人やな!


……というのはあまりの性急すぎますので、もう少し考えてみましょう。
じっくりと眺めると、ひとつ不自然な殺人があることに気づきます。
第二の犠牲者・マドリーンの殺害です。

マドリーンは中庭でレンガで殴られ惨殺されるんですが……
これ、あまりにも隙だらけと思いませんか?


▲中庭がある劇場すげえな

彼女の死体は早朝に中庭の花壇で発見されました。一応、犯人のコレットは警官の衣装に身を包んでいたわけですが、それでも中庭は他の人物が自由に出入りできる状態でした(実際にマスターキーを持っていないシンシアは早朝に花壇を訪れています)。
プロデューサー殺害のあとですから劇場内には探偵や警察が目を光らせていて、いつ発見されてもおかしくない状況。しかも、その次のモニカの殺害は再び密室で行われた計画的なもの。

また、第一の殺人でプロデューサーのもがく声を聴きカギを探しにいったマドリーンは廊下でコレットとぶつかっていますから、コレットは「自分がその場にいなくてもいい殺害方法」を選ぼうと思えば選べたはずです。

以上の点から、一見無謀に見えるマドリーンの殺害も連続殺人として計画されたものである可能性が濃厚だと踏みました。

ただ殺すだけでなく、目撃されるリスクを負ってでもマドリーンを撲殺しなければならない強い理由……。


ウン、これは見立て殺人やな!!!!!!!!!!!!


……なんとも短絡的ですが、ここまでくるとあながち『無い』とも言い切れない、というか引き返したくない。なかなか興味のわく題材だと思い考察を進めることとなりました。

プロデューサー、マドリーン、モニカ、ミルズ、コレットの5人の死に共通するもの……。


思うに、それはタロットカードではないでしょうか。



タロットカード。
あの、占いに使う、アレです。
グリマスでもミリシタでもガシャがありましたからミリオンPにもおなじみでしょう。イベントのキービジュアルにもカードが書かれていますし、本編でも最初の殺人で犯人は現場にカードを残していますからね(けっこうガバだけど)。

唐突に思うかもしれませんが、ちゃんと私なりの根拠がございます。説明させていただきましょう。


★タロットカードがモチーフだと思う理由

ミリオンライブの他にもスタンド能力とか悪魔召喚に使われたりする『死』『戦車』『星』などのカードは通常『大アルカナ』と呼ばれるカードです。占いでも大枠の意味を示す、タロットを象徴するカードで全部で22枚あります。
しかし、実はタロットカードは全78枚つづり。大アルカナ以外の56枚のカードは小アルカナ』と呼ばれ、同じように占いに使用されます。

また、小アルカナは4つのマーク(スート)に分かれ、各スートは14枚のカードで構成されます。トランプのスートはハート・クラブ・スペード・ダイヤで示されますが、タロットのスートはそれぞれトランプのスートと対応するように
・カップ(杯)
・ワンド(杖、棍棒)
・ソード(剣)
・ペンタクル(五芒星が書かれたコイン、護符)
のマークが割り当てられています。


▲カップがハートになるんだよなぁ

この4つのスートを、今回の事件の犠牲者に当てはめてみると……。

・プロデューサー→カップ→毒殺

・マドリーン→ワンド→撲殺

・モニカ→ソード→刺殺

・ミルズ→ペンタクル→コレットを庇い自殺


バッチリやんけ!

ミルズの直接の死因ははっきりしませんが、手品でコインを用いていたこと、コレットを庇うために策を巡らせたことを考えると、富と護符を表すペンタクルをあてがうのははかなりいいセンをいってると思います。

また、それぞれのスートにも大まかな意味の傾向があります。

・カップ……愛、受容性、感情的、家族

・ワンド……直感、行動、情熱、包容力、信頼

・ソード……攻撃、試練、困難、理性、公正

・ペンタクル……富、利益、実績、安全

若干こじつけ気味ではありますが、それぞれの性格を暗示しているように思います。特にソード。


しかしスートは4つ、犠牲者は5人。コレットが余ってしまいますね。
はたしてどうしたものか……?

などという心配はいりません。実はコレットにうってつけの『道化師』のカードが大アルカナにあるのです。
『道化師』……タロットでは『愚者』という名前ですが。


★愚者の道化師との類似性

愚者のカードは22枚ある大アルカナの最初、第0番に位置するカード(順番や扱いは時代によって変わるみたいです)。愚者の名の通りキテレツな格好をしているので彼はしばしばピエロ・道化師として扱われます。
道化師のイラスト以外にもコレットと重なる部分はありますので、ひとつずつ紹介していきましょう。

▲マルセイユ版の『愚者』のカード


●カードの意味

正位置(普通の置き方)の場合、カードの意味は
『自由、純粋、熱狂、可能性、夢想、神秘家、野心、無謀』など。

若さゆえの無知、またそこからくる無謀とも言える勇気、そして掴み取る未来を暗示します。役への情熱から殺人を犯してしまったコレットを象徴するカードといえましょう。


●カードのストーリー

あまり知られてはいないんですが、タロットには全22枚の大アルカナを通して語られるストーリーがあるんです。まぁ、ストーリーと呼べるほどしっかりとしたものでもないですが……。それは通称『フールズ・ジャーニー(愚者の旅)』と呼ばれ、タロットの教本でもしばしば触れられています。

概要はこんな感じ。

愚者は可能性を秘めた無知なる若者として旅に出ます。
大アルカナの暗示のもと、彼は様々な者と出会いスピリチュアルな成長を体験します。

神秘、愛、闘争、探求、災害、希望、審判……。
そして長い長い旅の末、彼はついに『世界』に触れます。
世界に触れることで、若者はこの世の成り立ち・生命力の源を知り、悟りを開きます。
愚者だった彼は完全なるものとなり自分の新たなるステージへ、再び無知なる『愚者』として踏み出すこととなります。

大アルカナの最後を締めくくる『世界』

暗示するのは『全知全能、完全、不滅、願望の達成、成功、満足』など。

コレットの動機は、自らが殺人を犯すことで『屋根裏の道化師』を完璧なものにすることであり、そして彼女はこの舞台を不滅の傑作とするために身を投げました。

このことから、コレットは見事『世界』にたどり着いたと言えるでしょう。


▲ライダー版の『世界』のカード。おっぱいプルンプルン


●カードの絵柄

そして何より決定的なのは、カードの絵柄です。
古今東西、あらゆる種類が作られているタロットカードですが、イギリスでは『ライダー版タロット』というバージョンが特に普及しています。このタロット、小アルカナ一枚一枚にも味のある絵柄がついていることで人気を博しているのですが……。

ライダー版のタロットにおいて、愚者のカードはなんと崖に向かって歩いているのです。


▲いかん危ない危ない危ない……

これを、おもむろにコレットの死因と照らし合わせると……?

……言うまでもないでしょう。


★ジョーカーとの関係

さて。
タロットの話をしてきたわけですが、ここまで読まれた方ならば気づくはず。
そう……タロットとトランプはとても良く似ているのです。

ゲームや占いの歴史研究でもトランプとタロットの類似性はしばしば指摘されるようですが、どちらが先に生まれたか、というのは諸説ある模様。ただ何らかの関係はあるだろう……というのが大部分の見解のようです。

そして『愚者』と『ジョーカー』の類似性も無視できないポイントですね。タロットを占いでなくゲームの道具として使う場合も愚者のカードは切り札として扱われますから、そのポジションも似ています。

愚者。

道化師。

ジョーカー。

ババ。

馬場……。





あああぁぁぁぁぁぁぁっ!!


……『最期にババが残った』というのが、見立て殺人を真剣に疑った最大の理由だったりします。最初はトランプの見立て殺人だと思っていた……。


それとシンシアについてもう一つ。
シンシアは女優を引退し後輩の教育に励んでいましたが、実はタロットにも導きや指導者を示すカードがあります。
それは『隠者』のカード。グリマスでは福田のり子が演じていましたね。


▲フォーチュンガールズガシャは名作

その隠者の暗示するものは……。



本心。悟り。知識。答え。有識者。記憶。孤独。

秘密。核心。変幻自在。隠された事実。


これもうシンシア黒幕やんけ!!!!!!
……いやぁ、資料公開されてくんねぇかなぁ。



★まとめ

以上の付合から、私は
「『屋根裏の道化師』事件は、タロットをモチーフにした見立て殺人である」
と結論づけました。

同時視聴生の最中、マドリーンが殺されたあたりで「もしかしてそうなんじゃ……」と疑っていたんですが、話が進むにつれて合致するポイントが次々と出てきて、かなり興奮しましたね〜。

私の説が当たっているかも、作者がここまで考えていたかもわかりませんが、まぁ私が思いつくようなことは考えつくす制作チームだと思いますので、いずれ明かされるかもしれない真相を待ちつつ床に就くことにしましょう。


******


まさかアイマスのドラマCDについて考察する日が来るとは思いませんでした。
冒頭の繰り返しになりますが、ここまで中身の詰まったドラマパートを提供していただいたという事実にアイマスCDの進化を見た気がします。
私だけでなく多くの方がTB03について熱く考察されているということもこのCDの質が高いことの証左でしょう。

まさしく『愚者』のごとく熱中したくなる濃厚なドラマを提供してくれた制作チームの方々には熱い拍手を……そして、ここまで読んでくださった方々には43と書かれたカードをお送りして、この記事のシメとさせていただきます。
ご拝読ありがとうございました。


シラス.








コメント

Bild Kaninchen
No.1 (2018/12/10 23:56)
占い師の子だったもんなぁ・・・。
たろー
No.2 (2019/01/29 22:07)
なんと……
そこまでくると、ウォーカーにも何かしらの意味があるのではと思ってしまいます。何も思い当たりませんが
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事