人生の3分の2は寅さんのことを考えてきた。
と、いうのは嘘だけど、折りに触れ考えることが多かったことは本当。
『男はつらいよ』を初めて映画館で観たのは、シリーズ8作目の『男はつらいよ 寅次郎恋歌』だった。併映は『春だドリフだ 全員集合!!』と、当時つけていた“映画ノート”にはそう書いてある。中学生になり、いろんな映画を観始めた頃だ。それに思春期、いわゆる青春ノイローゼ。男子校に通う冴えない中学生としては、街の映画館が現実逃避のシェルターでもあった。
「あんた、彼女はまだ出来ひんのか?」
休日、家でゴロゴロしてるとオカンが聞いてくる。そこが、ひとり息子のつれぇところよ。
コメント
コメントを書く