最近これには驚き、そして腹が立った。
 何かって国連女性差別撤廃委員会である。
 日本に対して、選択的夫婦別姓の導入と、「男系男子」の皇位継承を定めている皇室典範の改正を勧告したという。
 私は若い頃、夫婦別姓について声高に叫ぶ人たちに対し、正直、
「めんどくさそう」
 という感想を持っていた。
 夫の姓だと不便、という言い方ならわかるが、
「違う姓になると、私のすべてのアイデンティティが失われる」
「今まで生きてきた人生、すべて否定されるのと同じ」
 etc……。大げさだなあと思っていた。 
週刊文春デジタル