今号は2016年11月3日号の記事を一部編集して再録します。

 ども、柳家喬太郎です。毎度おなじみ川柳のらりくらり、今週のお題は柿であります。
 年とって口が変わった、なんて言いますが、若い頃好きじゃなかったけど、年齢を重ねて食べられるようになった、好きになったなんてのはよくある事(こ)って。僕にもそういう食べ物が幾つかありますが、そのうちの一つが、まさに柿であります。
「ガキの頃よそん家(ち)の柿ィ盗んで」
 なんて台詞ぐらいで、落語にもあんまり柿は出てきません。秋を感じさせてくれる、身近な果物なんですけどね。そもそも落語には、秋の噺って少ないんですわ。柿が出てくる、秋が舞台の新作でもこしらえてみようかな。 
週刊文春デジタル