二〇二三年七月三十日。北海道東部の釧路町で一頭のヒグマが駆除された。「OSO18」と名付けられたそのクマは四年間で六十六頭もの牛を襲っていた。
そのOSOが駆除されたことで騒動は一応の決着を見たが、「OSO18特別対策班(以下・対策班)」リーダーの藤本靖氏は違和感を拭いきれなかった。
「いったい、なんで掌がこんなに腫れてるんだ?」
そう首を傾げる藤本氏の手には、駆除直後のOSOを撮影した写真があった。
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