この間、マネージャーのヤマガミさんらと三人で、たまたま通りかかった焼き肉屋さんに入ったんです。
 私たちの他にお客さんはおらず、店員は金髪にピアスのお兄ちゃんと覇気のない店長のみ。私たちは狭い三人席に案内されたものの、コンロに火がつきません。金髪君に言われて隣の席に移ったら、今度は注文用のタブレットが壊れている。
 替わりのタブレットで、何とか注文を済ませたときには“負け”を悟りました。金髪君が「牛脂です」と言って持ってきたのは、ただのラードでした。網に置いたら一瞬で燃えてしまいました。そこに、ネコを模したAIの配膳ロボットが肉を運んできます。向こうが透けて見えそうな薄いロース肉をカラカラの網に置いたら、たちまち縮んで、網の隙間からポロポロ落ちていきました。 
週刊文春デジタル