七月四日に投開票された英総選挙(定数六百五十)。前身トーリー党まで遡ると三百五十年近い歴史を誇る与党・保守党が歴史的大敗を喫し、十四年ぶりに最大野党・労働党が政権を奪還した。
 しかし労働党の得票率は前回二〇一九年の総選挙でジョンソン首相(当時)の保守党に惨敗した時より一・六ポイントしか増えていない。死に票が多く出る単純小選挙区制のマジックだ。
 この政権交代の立役者は、実は労働党の堅物スターマー新首相ではなく、強硬右派の新党「リフォームUK(改革英国)」を率いて保守票を分裂させたファラージ氏である。 
週刊文春デジタル