人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
 先日、仕方なくひとりSMを試みた。すなわち、僕がSとMの二役を演じたわけである。
“そろそろもよおしてきたんじゃないのか? 我慢することはない。ここで漏していいんだぞ”
“は、恥ずかしいです……”
 こんなプレイを自ら仕掛けなきゃならなくなったのは、そもそも僕の不注意が原因。
 年に1回、行っている人間ドックの日が、あろうことかテレビの収録日とダブルブッキング。スケジュールをちゃんと確かめないで予約を取ってしまったのだ。 
週刊文春デジタル