大学に入学したときほど可能性に満ちた時期はない。まさに可能性のかたまりだ。受験のために封印してきた無数の可能性が、いまかいまかと花開くのを待っているのだ。
入学後、最初に夢をつぶしたのは、テニスだった。毎日コートにローラーをかけさせられた上、大学の周りを一周させられ、土手を上り下りさせられた。慧眼にも、わたしは多すぎる部員をふるい落とす魂胆だと見抜き、その手に乗るかと思った二日後に退部した。
これで分かった。わたしの本領は頭脳にある。運動で挫折した以上、頭脳になければどこにあるのか。
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