人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
 エロスクラップブック(通称・ESB)が、とうとう800冊を突破した。
 エロ本から切り取ったお好みの写真に再構成を加え、スクラップブック(コクヨ ラ-40N)に貼り倒す手作業も45年目を迎え、今では僕のライフワークとなっている。
 30代半ばの頃、一度、『タモリ倶楽部』で取り上げて貰ったことがある。
 その回のタイトルは確か『エロスクラップ30冊突破記念祝賀会』だった。
 ホテルの一室での収録だったが、出席者はみなフォーマルな衣装を着て、僕の作業を見守ってた。最後のページを貼り終えた瞬間、拍手が巻き起こり、僕は何だか偉業を成し遂げたような気になった。しかし、たかが30冊である。 
週刊文春デジタル