人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
“だておーるめーん♫”
 と、深夜ラジオから流れてくるスリー・ディグリーズの大ヒット曲。邦題は『荒野のならず者』である。
 よくは知らないが、彼女たちが歌う、そのフィラデルフィア・ソウル・サウンドってやつにグッときて、期末テストが終ればそのレコードを買うつもりでいた。
 中学生になって初めて観た映画は、リバイバル上映の『荒野の七人』。それで西部劇が大好きになった。
 だから、『荒野のならず者』も、てっきりそんな内容の歌だと思ってた。
“だておーるめーん♫”
 しかし、僕がよく口ずさんでるサビの部分。それが原題だということを知る。
「それ、ダーティ・オールド・マンやろ」
 と、友達に諭された。 
週刊文春デジタル