角界には“荒れる春場所”という言葉があるが、今年の春場所はレベルがすごすぎた。その主役が、大銀杏も結えないちょん髷の新入幕、尊富士(たけるふじ・24)だ。
初土俵から所要九場所の史上最速タイ(幕下付け出しを除く)で新入幕を果たすと、昭和三十五年初場所の大鵬と並ぶ、史上一位タイの初日から十一連勝。翌十二日目は土がつき“大鵬超え”はならなかったが、その後も優勝戦線のトップを走り続け、最後は右足首のケガで休場危機に陥るも千秋楽は強行出場して勝利。百十年ぶり二人目の新入幕優勝という歴史的快挙を成し遂げた。
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