JALに、CA出身の女性社長が誕生する。
 本当に素晴らしいことである。拍手しながら、私はサナエちゃんのことを思い出した。
 昔はよく私のエッセイに出てきたサナエちゃんとは、生まれた時からずっと一緒であった。田舎の駅前の小さな商店街で、うちから四軒め。同い齢で仲よし。
 新社長と同じように、短大(当時大人気の青山学院)を出てJALに入った彼女はとても優秀で、たちまち頭角を現したらしい。総理大臣を乗せる特別フライトを経験したりし、長く教官をしていた。
 昔はJALに乗ると、
「教官にお世話になりまして」
 とよくCAさんに声をかけられたものだ。最近はさすがに少なくなり、そう言ってくれるのは白い制服のチーフの方ぐらいになった。
 とにかくサナエちゃんは、よく働いて社内で認められ、辞めた時は部長だったと記憶している。
 私は今度のことで、さっそくLINEした。 
週刊文春デジタル