ニューヨークはマンハッタン、セントラルパークの東側、アッパー・イーストサイドはユダヤ系の超富裕層が住む高層コンドミニアムが建ち並ぶエリア。そのビルの谷間の路上には、中東系移民が営むハラル料理の屋台がいくつも集まっている。
メニューは、フムス(ひよこ豆のペースト)、ひよこ豆を団子にして揚げたファラフェル、肉をマリネして焼いたギロス、それを包んで食べるピタ。ギリシア料理とだいたい同じ。ヘルシーなので人種民族を問わず人気がある。特に屋台は肉を焼く香りが人を集めて、昼時には行列ができる。
その屋台の一つで働くエジプト出身の青年ムハンマド・フセインさん(24歳)に、60歳過ぎの白髪の白人男性が話しかけてきた。
「お前はどこから来た」
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