一九三二年に起きた五・一五事件で犬養毅首相が暗殺されたことは201回で説明しました。今回は国内政治が軍部に引きずられていく様子を見ていきましょう。
元老の西園寺公望(さいおんじきんもち)は「挙国一致せな、もう軍部は抑えられへん」と考えます。そこで政党による内閣ではなく、首相を軍人にし、大臣は政友会と民政党の両党から入れた挙国一致内閣を作りました。
首相に選ばれたのは海軍大将の斎藤実(まこと)です。朝鮮総督として文化政治を進めた手腕が評価されました。
蔵相には高橋是清が再び起用されます。
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