ヨーロッパ最貧国だったアイルランドがなぜ現在、1人あたりGDP世界第2位の豊かな国になったのか? という話の続き。
前回書いた通り、筆者はパスポートを盗まれてアイルランドから動けなくなったので、時間を持て余して、首都ダブリンから第二の都市コークへのバスツアーに参加した。走っている間、運転手兼ガイドのアレックスがこんな話をした。
「オッケー、1840年代のいわゆる『ポテト飢饉』について話そう。でも実際は飢饉なんてなかった。ジャガイモはアイルランド人の主食だったけど、ジャガイモが病気で死んでも、他に肉や野菜や魚もあった。でも、当時アイルランドを支配していた英国はそれを奪って英国に送ったんだ」
後で気づいたのだが、アレックスの言葉はアイルランドの女性歌手シネイド・オコナーが1994年にラップした「飢饉」の歌詞の引用だった。
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