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町山智浩の言霊USA 第578回「Doomsday Couple(終末カップル)」

2021/06/10 05:00 投稿

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  • 町山智浩
 5月25日、「ドゥームズデイ・カップル」と呼ばれた作家チャド・デイベル(52歳)とその妻ロリ(47歳)が起訴された。ロリの二人の連れ子タイリー(17歳)とJJ(7歳)の殺人罪である。
 二人は既婚者だったが、「ドゥームズデイ(終末の日)」がもうすぐ来る、そのために神に選ばれたカップルだと信じて、それぞれの配偶者を殺し、子どもを殺して結婚した。
 ロリ・コックス(旧姓)は1973年、モルモン教の家庭に生まれ、高校ではチアリーダーで、卒業後は美容師となり、3度の結婚を経て、長女タイリーを連れて、2006年、アリゾナに住むチャールズ・ヴァロウと4度目の結婚をした。2014年、ロリとチャールズ夫妻は、チャールズの妹の孫JJを養子に迎えた。JJは自閉症スペクトラムだったが、10歳年上のタイリーが本当の弟のように可愛がり、家族は仲良く暮らしていた。
 だが、2015年、ロリがチャド・デイベル著の『聖地に立つ』という小説シリーズを読み始めてから、すべてが変わった。それはモルモン教徒のためのSF小説で、アメリカ政府が神の道を外れて崩壊し、ロシアや中国の軍に侵略され、エンド・オブ・タイム(この世の終わり)がやってくるが、正しいモルモン教徒たちは新しいエルサレムを建設し、セカンド・カミング(キリストの再臨)を迎える、という物語。デイベルはこうした本を25冊も自費出版し、カルト的人気を集めていた。
 

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