学生時代、憧れで大好きで犬のように後をついてまわっていた美しい先輩がいた。良いこともワルイこともたくさんのことを教えてくれたその人から唯一教わらなかったのは喫煙だった。彼女の白魚のような指と分厚い唇で扱うからこそタバコは美しいのだと、幼児のようにぷくぷくと肉付きの良い自分の指と薄い唇を見て思ったものだ。恋とは違う、でも憧れだけじゃない、大好きで大切で一生忘れられない人。『姉の友人』を読んで、そんな時間の流れと共にいつしか記憶の一ページとなった、私の宝物だったもののことを思い出した。

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