週刊文春デジタル

宇垣総裁のマンガ党宣言! 第016回 宇垣美里「どうせ分かり合える日などこないけど」

2020/01/16 05:00 投稿

  • タグ:
  • コラム
  • 宇垣美里
 幼い頃から、人と人との間には絶対に埋め切れない深い溝のようなものがあると知っていた。私の感情を本当の意味で理解しうる人などいない、と。だから必要以上に他者に気持ちを伝えようとしなかった。なんて臆病で愚かだったのだろう。『違国日記』に出会うずっと前、あの頃の私はまだこの感情を表す言葉を持っていなかった。
 小説家の槙生(まきお)は交通事故で急逝した姉夫婦の葬式で、姪である十五歳の朝が親戚に盥(たらい)回しにされているのを見かねて引き取ることになる。ひとりの時間を愛する人見知りな槙生と、人懐っこく素直な朝の奇妙な二人暮らし。それはまるで違う国の民同士の邂逅。自分の“普通”が、相手には“普通”でないことに日々驚き、なぜこんなにも違うのだろうと互いに首をかしげながらの生活だ。そこで繰り返し描かれているのは、二人が、人が、どうしようもなく違う生き物だということ。
 

ここから先は有料になります

チャンネルに入会して購読する

月額:¥880 (税込)

  • チャンネルに入会すると、チャンネル内の全ての記事が購読できます。
  • 入会者特典:月額会員のみが当月に発行された記事を先行して読めます

ニコニコポイントで購入する

  • この記事は月額会員限定の記事です。都度購入はできません。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

週刊文春デジタル

週刊文春デジタル

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細