第一章:結月ゆかりは勇者であるのか?
勝手ながらタイトルを変更させて頂きました、ご了承を。
この小説は誠に勝手ながら、族長様やもやししゃも様を参考にしてキャラ作りをしております。
(勝手に済みません!何でもするので許してください!!)
参考動画です→sm20310199 →sm19680327
※09/03訂正しました。
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時は遡ること数時間前。
「ねえ、ゆかりん、お茶はダージリンでいいかな?」
遊びに来て部屋に入るなり、そう私に訊ねてくる金髪巨乳の女の子、弦巻マキさんは私の幼馴染でよくお互いの部屋に集まってはお茶を飲んだりゲームをしたりと、よくある幼馴染の典型例のような感じの仲です。
そしてマキさんは私が答える前間もなくすでにお茶を入れ始めていました。
「マキさん、答える前から入れ始めるのはやめてくださいよ、まあ今日はダージリンな気分だったのでいいですけど・・・」
まあ、マキさんのことですから、私が今日、何を飲みたいのかは分かっていたのでしょうね。
「ところで、ずん子さんと琴葉姉妹はまだ来てないのですか?」
「うーん、まだ来てないんだよね、そろそろ来る頃だと思うんだけど・・・」
その時、ガチャっと音がして扉が開くと同時に、黒髪を揺らしながら一人の女の子が慌てて入って来ました。
「お待たせして済みません、お茶請けのずんだ餅を作っていたら遅れてしまいました!
「大丈夫ですよ、ずん子さん、私も今来たところですし」
「ほぼ約束した時間ぴったりだしね、あ、今日はダージリンだけど、ずんだ餅って合うのかな?」
「問題ないですよ、ずんだ餅はなんにでも合いますし!」
そうドヤ顔で言っている彼女、東北ずん子さんは、東北から来た留学生(?)で、東京でずんだを広める夢を持っているのだとか。
引っ越してきてから、仲良くなるにはそう時間もかからず、今ではこうしてお茶やゲームをする時は毎回一緒にしています。
「そういえば、琴葉さん達はまだ来ていないのですね、なんかすごいもの見つけたって茜さんから連絡があったのですが・・・」
次の瞬間、バンッっと突然扉が開くと共に、
「みんな聞いて聞いて!珍しい物を見つけたんや、これなんやけど!」
「ちょっとお姉ちゃん!済みません皆さん、ご迷惑をお掛けして」
そうしてバタバタしながら入ってきた、髪の色と性格以外はそっくりな双子、いつも元気な姉の琴葉茜さんとしっかり者な妹の琴葉葵さんが入って来ました。
最近こちらに引っ越してきて、その手伝いや面倒を見ているうちに仲良くなりました。
「二人ともいらっしゃい!それにしても茜ちゃん、今日は一段と元気だね、まあとりあえず座って座って」
するとずん子さんがカバンから何かを取り出して
「座るならこれを使ってください、新作のずんだクッションです!」
そう言ってカバンから取り出したのは私の背丈ほどもある巨大なずんだ餅の形をしたクッションでした。
ずん子さんはこうしたずんだグッズなども作っていて、集まった時にたまに持ってきてくれます。
それにしても、いったいこれほどの大きさのものを、どうやってカバンに詰め込んでいたのでしょうか・・・。私、気になります!
「茜さんがハッスルしているみたいですが、とりあえずその話はお茶にして、落ち着いてからにしませんか?」
ずん子さんが苦笑いしながらそう言いつつ置いてあったポットからお茶を注いでます。
「ええ⁉うちめっちゃすごいネタ持ってきて、うずうずしてるのに!」
「お姉ちゃん、皆に迷惑かけちゃ駄目だよ、ゆっくりしてからでもいいでしょ?」
こうして見ていると、どっちが姉なのか分からなくなってきますね、本人に言ったら傷つくかもしれないので、心の中にしまっておきますが。
そして、みんなでお茶とずんだ餅をもぐもぐして・・・。
しばらくして、茜さんは床にゴロンと大の字に寝ころびながら
「ああ、お腹いっぱいやわぁ、それでこの後はゲームでもするん?」
と、女の子がそれでいいのかな、というほどダラダラしながら言いました。
「茜ちゃーん、パンツ見えているよー」
「食べてすぐ横になると体重増加に繋がりますよー」
マキさんとずん子さんに言われてしぶしぶ座りなおすと、葵さんがふと思い出したかのように・・・
「お姉ちゃん、アレの話はしなくてもいいの?」
「え?」
可愛らしく首をかしげて、ポカンとした表情をしている茜さん。
「もしかしてだけど、今日拾ったアレのこと忘れてないよね?」
葵さんが笑顔で威圧している中、茜さんは冷や汗をだらだらかいて目をそらしています。
「い、いやぁー、忘れてなんかいないで?ただタイミングをちょっと逃したと言いますか----」
「それで・・・本当は?」
葵さんがドスの効いた声でそう言いました、目が笑ってない所を見るとシナジー効果が出ていますね。
茜さんはビクッっとしながら。
「正直お茶してから、今の今まですっかり忘れてました。」
・・・と正直に答えました。
茜さんを除く全員が呆れていると、茜さんがバックからごそごそとナニカを取り出して。
「これなんやけどな、朝起きたらうちの枕元にあったんや!」
そう言って取り出したのは一冊の分厚い本でした。
分厚い革のハードカバーに身を包んで辞書ほどの厚さがありました。
「茜さん、枕元にあったって・・・今日はクリスマスじゃないですよ?」
私がジト目で睨みながら言いますが、茜さんの表情は真剣そのもので、
「本当なんや!昨日はこんなものなかったし、そもそもうちはこんなもの買いたいと思うわけないやろ。」
それを聞いてマキさんは顔を青くして。
「それってもしかして泥棒に入られたんじゃ・・・」
しかし葵さんは首を横に振って。
「ちゃんと家は鍵をしていましたし、侵入された形跡も、盗られた形跡もないんですよ、私が知る限りではこれは元々家にあったものでもないですし、不気味なので早く捨てようってお姉ちゃんに言ったのですけど、皆に見せてからって聞かなくて。」
「それで私達にも見てもらおう、って持ってきたのですね」
茜さんがドヤ顔している隣で、葵さんは申し訳なさそうにしていました。
「ところで茜さん、ちょっとその本見せてもらってもいいですか?」
「ん、ええよ、高く売れるかもしれないから、丁寧に扱ってや。」
そうして茜さんは本を渡したら、ずんだクッションを枕にして、また床にゴロンと寝ころんでしまいました、おへそがチラッと見えていてなんだかエロいです。
「それにしても、葵さんの言う通り、この本相当不気味ですね・・・私、趣味で古文書とかの解読しているんですけど、これは私の知っているどの文字とも違いますね、相当過去にあったものかもしれないですし、だとしたらこの本、結構価値のあるものだと思いますよ?」
ずん子さんが受け取った本を見ていると、中はなんだかよく分からない文字がびっしりと書いてありました。
というかずん子さんの趣味が古文書解読とか初めて聞きました、それにしても若い女性にしては渋すぎじゃないですかね?
「表紙にタイトルがないし、中はよく分からない文字、しかも茜ちゃんが起きたら突然あったとか、それってもう呪われている本なんじゃ。」
マキさんが怯えて、どこから取り出したのか片手にライターを握って言っています。
危ないので手にもって入り物を取り上げると、マキさんは私の腕にしがみついてきました。
よほど怖いのでしょうか、震えて携帯のバイブ状態みたいになっています。
・・・腕に当たる感触にイラッと来てはいないですよ?
「ずん子さん、それちょっと見せてもらってもいいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ、茜さんいいですよね・・・って寝ちゃってますね。」
よく見ると茜さんはすぅすぅと寝息を立てていて、可愛らしい寝顔をさらしています。
幾ら何でも寝付くまでが早すぎるのではないでしょうか。
所有者が寝てしまったので、もう一人の所有者に声をかけることにして、
「葵さん、これちょっと借りてもいいですか?」
「大丈夫ですよ、むしろ貰っちゃってくれませんかね?」
そんな冗談(?) を交えつつ、ずん子さんから本を受け取りました。
受け取った本を読む前に、私は着ていたパーカーを茜さんにかけてあげると、私の腕をギュッと握ってきました。
私が男だったらキュンと来てしまうようなシチュエーションですが、両腕が塞がってしまいました。
下手に振りほどくと起こしてしまうかもしれないので、手を使えるようにするため、マキさんに離れてもらうように言ったのですが、プイッと他所を向かれてしまいました。
とりあえずマキさんを腕から胴にしがみつきなおさせて、片手で読むことにしましょう。
「ねえゆかりん、それ黒魔術の本かもしれないし、燃やしておかない?」
またマキさんがこう言いながら、これまたどこから取り出したのか、今度は手に料理用のガスバーナーを握りしめていました。
とりあえずまた取り上げて、受け取った本を適当にパラパラと見てみると本当に訳の分からない文字が不規則に乱立していて・・・と思いましたが、最後の方ページにポツンとこう日本語で書いてありました。
【貴方はこの世界に満足していますか?】
どういうことなのでしょうか、これまで何も書いていなかったのになぜ唐突にこんなことが書かれているのでしょうか?
「マキさん、マキさん、これどう思いますか?」
「えっとなになに・・・え、なにこれ?」
どうやらマキさんも意味不明と受け取ったようで、首をかしげています。
「どうかしたんですか、何か書いてあったんですか⁉」
ずん子さんは興味津々なようで、こっちをのぞき込んできました。
「あれ、日本語なんて書いてあったんですね、お姉ちゃんと一応ざっと見たんですけど、見逃していたのでしょうか?」
どうやら葵さんも知らなかった様子、となると茜さんも知らないのでしょう。
「マキさん、次のページに行きますけど大丈夫ですか?」
「うーん、これって呪われているってよりはただのジョークグッズなのかな?」
疑っている様子なマキさんですが、いまだ震えているところを見るとまだ警戒を解いていないようです。
とりあえずページをめくらないことには話が進まないので次のページに進むことにしました。
するとこう書かれていました。
【貴方はこの世界を捨てる覚悟はありますか?】
・・・本当に何なんでしょうかこれ?こちらをおちょくっているとしか思えないのですが。
周りを見てみるとマキさんと葵さんも首をかしげてました。
ただ一人、ずん子さんだけは目を輝かせて・・・
「ゆかりさん、それを貸してください!私それを売って夢のずんだカフェの資金に充てるんです!」
そう言ってにじり寄ってくるずん子さん、すでに頭はお金のことでいっぱいなのでしょうか、カフェの内装は・・・とか言ってますね、というかこれは姉妹の所有物であってあなたの物ではないですよね?
「ちょ、ちょっとずん子さん!引っ張らないでくださいよ、私大勢が悪いんですから、あっ!!」
無理に引っ張られたからでしょうか、手が滑ってドサッと言う音と共に本を落としてしまいました。
「あ、済みません、ちょっと興奮しすぎましたね、まあ夢のずんだ御殿が目の前にあったら仕方ないですよね♪」
「可愛くいっても駄目だとおもうよ、というかずんだ御殿ってなにさ・・・」
呆れているマキさんを横目に、とりあえず落ちた本を探そうと床を見てみるとそこにあるはずの本が無く。
「あの・・・これって相当まずくないですかね?」
葵ちゃんが青ざめた顔でそう言っていました。
一体何を?と視点を戻してみると、
目の前になかったはずの本がフワフワと浮いていました。
「・・・あの、マキさん、私幻覚見ているんでしょうか?」
「いや、ゆかりん、私も見てるから多分幻覚じゃないと思うよ」
「こ、これはちょっとやばくないですかね、お金というより危険な臭いがするんですけど!」
「ちょっとお姉ちゃん、起きてってば、持ってきたものがまずいことになってるんだって!」
一同驚いていると、その本が段々と闇色に発光しだしてきて・・・
「マキさん、これってマジックか何かですかね、本が本来光るはずのない黒色に光ってるように見えるのですが」
「うーん、最新の発行塗料ってすごいんだね」
「二人そろってなに現実逃避しているんですか、早くに逃げないと!」
「いや、マキさんが腕を話してくれないんですよね指が食い込むほど力入っていて痛いんですけど」
「私は腰が抜けてて動けないんだよね、というわけでゆかりんは道ずれだよぉ!!」
「ちょ、離してくださいよ、逃げられないじゃないですか!」
引きはがそうにもすごい力でしがみついてくるマキさん、ずん子さんも腰が抜けたのかペタンと床にお尻をついている様子。
「あかん、これはあかん、ちょっとお姉ちゃん、はよおきてや!」
「・・・うにぁぁ、・・・zzzZZZZ。」
テンパって関西弁が出てきている葵さんと一向に起きる気配のない茜さん、この二人を置いて逃げられるわけがないでしょ、というか二人に絶賛捕まられてて逃げるに逃げられないんですけど。
そうしているうちに本の輪郭が分からないほどに光ってきて。
あっ、これもう駄目ですね。
とそう認識したのを最後に、本から闇が一気に爆発して、私達は意識を失いました。
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一応日曜日に更新はできたのでセーフ!いや、仕事がめっちゃ忙しくて日付が変わるくらいに帰ってきた週だったので時間が無くて・・・かなり急いで仕上げました。
今回はどうやって異世界に行ったのかをちゃちゃっと一話に収めてみました。
最近異世界物ってなんだか批判されている中投稿しているので、これがどう評価されていくのかちょっと不安ですね。
というかこんな文で大丈夫なのだろうか・・・テンプレにならないよう頑張ります。
あとサムネって設定すべきでしょうか?見つけにくかったら済みません。
それと後々文を修正するかもしれないです。
作:東雲フウ 2016/07/03