新宿・歌舞伎町を歩いていると、いつものようにキャッチに声をかけられる。もっともと多いのは...

 「DVD、DVD....」

 とだけささやく男性だ。ある初老の男性をよく見るのだが、私がいつも声かけに無反応だということを覚えていないのだろうか。声かけに失敗するたびに、

 「ちぇっ」

 と舌打ちをする。時折、「なんだよ」と、残念がる声も聞こえたりする。ただ、こうしたDVDの勧誘は昼間から夕方にかけてが多い。それをすぎると、キャバクラが多くなる。

 「キャバクラ、おっぱい、ヘルス.....。なんでもありますよ」

 こうした声かけはフリーのキャッチだ。フリーの場合、それがまともなキャッチなのか、それとも詐欺的なキャッチなのかはわからない。私も詐欺的なキャッチにひかかったことがある。

 「添い寝キャバクラはどうですか?」

 歌舞伎町にいると、変わり種のキャバクラを時折、探したくなる。以前、コスプレキャバクラを探し回ったことがあったが、どうやら歌舞伎町ではコスプレ店は長続きしないとの話をよく聞く。そんなときに「添い寝キャバクラ」と聞くとつい、いってみたくなる。

 しかし行ってみると、中国人のデートクラブだった。入店で90分5000円。そして連れ出し料が2万くらい。連れ出さずに店内で飲んでもいいが、連れ出しに応じない客とわかると、中国人のサービスはまったくなくなる。もちろん、デートクラブは条例によって規制されているが、ほとんどの場合、届けていない。