渋井哲也の「生きづらさオンライン」

8月15日は「終戦記念日」〜地域の戦争史も記録しよう:木曽谷事件を例に

2013/08/15 10:00 投稿

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 8月15日は終戦記念日。10日の「朝まで生テレビ」で、社会学者の古市憲寿さんが世界の戦争博物館を回った体験をもとに、「日本ほど戦争の記録を残さなかった国はない。日本に国立の戦争博物館がない」と言っていました。一方、拓殖大学教授の森本敏さん「記録は膨大にあるが、それを整理していないし、整理する人もいない」と話していました。

 たしかに日本には公式な戦争博物館はありません。もちろん、地域ごと、例えば、広島や長崎の原爆資料館などはあります。また、靖国神社の遊就館がありますが、宗教法人の施設であり、国の公式見解を示しているわけではありません。

 私は1995年当時、長野日報の記者でしたが、支局で「戦後50年企画」をすることになりました。私は9月、「異国の谷で 朝鮮人、中国人の強制連行」という連載をしました。長野県の木曽谷で水力発電所・御岳発電所などの建設工事があった。

 この工事には熊谷組、間組、鹿島組、飛鳥組の四社だった。ここで働いていた朝鮮人は「労働省保管連行者名簿」に記録されている。朝鮮総督府内の朝鮮労務協会による「官斡旋」は1943人、「自由移入」は5984人だが、個人名簿があるのは「鹿島御岳」の「自由移入」111人分だけ。「官斡旋」や「徴用」の分はない。
 

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