皆さんは「歯科衛生士の役割」について答えることは出来ますか?
患者さんにブラッシング指導することでしょうか?
患者さんに歯周治療をすることでしょうか?
患者さんの主訴を聞き出すことでしょうか?
患者さんは痛みや不安を抱えて歯科受診します。治療で痛みは解決できても、心の不安までは解決することはできません。心の不安は、患者さん自身が自分と向き合わないと解決へは向かいません。
その為には歯科衛生士が、不安と向き合うキッカケを作り、勇気を持たせ、1歩を踏み出させることをしなければいけないのです。
つまり、歯科衛生士の役割は「患者さんの行動変容を促す」ことなのです。
患者さんが行動を変えるには、患者さんに自身の悪い生活習慣を気づかせ、正しい情報を提供し、良い生活習慣を定着させるサポートが必要になります。サポートのためには、大きく3つの知識が必要です。
それは、①コミュニケーション、②モチベーション、③患者心理です。
もちろん上記3つだけではなく、歯科衛生士としての専門的な技術と知識や、栄養指導・保健指導のための知識なども必要です。
こちらについてはセミナーや研修にてお話し致しますので、興味がある方はセミナーへのご参加、またはお問い合わせいただければと思います。
では、なぜ①コミュニケーション、②モチベーション、③患者心理の3つなのか、簡単に説明致します。
①コミュニケーション
コミュニケーションは社会人としての基本です。しかし、出来ていない人や苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか?円滑なコミュニケーションは短時間で多くの情報を共有するだけではく、信頼関係を深めることが出来ます。
初めて貴院に来院された患者さんが初回の治療を終え、次回の治療やメインテナンスへ移行して頂くまでに、患者さんと歯科衛生士は何回会話できるでしょうか?限られた回数で信頼関係を築くことが出来るか否かで、その患者さんが自身の口腔内や健康に対する治療に対する考え方、健康観が変わってきます。
②モチベーション
現代では何気なく使っている言葉ですが、その意味や理論を理解していない人が多いのではないでしょうか?私自身も、大学で理論を学ぶまでは上手く言い表すことが出来ませんでした。
やる気が上がる要因・やる気が下がる要因を知るだけでも、発言や行動は変わってきます。また、同じ20代であっても、その人が学生か主婦であるかによって、口腔衛生指導(けかる言葉)は変わってきます。
つまり、患者さんのモチベーションのレベル(段階)を判断したり、モチベーションをコントロールする為には、その他様々なモチベーション理論を学ぶ必要があります。
③患者心理
患者さんの心を動かす為には、その人の主訴から潜在意識を理解しなければいけません。例えば、こちらがちょっと気になった商品を、マニュアル通りの営業トークでプレゼンされても心は動きませんよね?人の心を動かす為には、その人の「心の欲求」を察する必要があります。
年齢、性別、性格、職業、生活環境だけではなく、自分と相手の考え方・捉え方の違いを理解しなければなりません。様々なことが違う相手の心を開く為にどうすればいいか、具体例を交えながらお話致します。
この3つの知識を歯科衛生士が学び理解することによって、患者さんに気づきを与えることが出来るようになり、患者さんは行動を変えようという気持ちになるのです。
患者さんの主訴から現在を知り、歯科の治療経緯や生活環境から過去を知り、そこから未来に対しどんな不安を抱えているか、あるいは未来にどんな期待をしているかを聞き出すために必要なのです。
患者さんのことをもっとよく知ることで、信頼関係を築き良い行動(習慣)を促すことが出来るようになります。また相手のことをよく知るためには、共感力が必要です。自分のことをよく知っていないと共感力は身につきません。
自分のことをよく知るためにも、ぜひこの機会に学んでみてはいかがでしょうか?
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