ブルックリンでジャズを耕す

ブルックリン物語 #62 ”There Will Never Be Another You”

2019/12/26 18:00 投稿

  • タグ:
  • 大江千里
  • ぴーす
  • ブルックリン物語
  • ダックスフント


「全盲です」

ドクターリーは”I am so sorry”と悲しそうぴの顔を手のひらで優しく包む。そんな風に言わないでください、思わず声をあげそうになる僕も、”She is fine”と自分に言い聞かせるように呟いてみせる。


d8138ad9b59a650a63a7b219092d85bd666921a5

いつだったか散歩から帰ってきてリーシュを外し、足元にぴを置いてドアのキーを開けている最中のことだった。散歩のお駄賃が欲しい、そう思って焦ったのかぴがドアと壁の間のコーナーに頭をなんどもぶつけ続けていた。変だなと思った。すると、くるっと向きを変え、階段からそのまま飛び降りていった。

2階からほぼ真っ逆さまに、時々ステップに体を打ち付けながら階下で強打するとグタッとなった。

「ぴーす!

自分の声に驚くほど絶叫して階段を駆け降りると、5〜6秒してピクリとも動かなかったぴがゆっくり目を開けた。

 

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

大江千里チャンネル

大江千里チャンネル

このチャンネルの詳細