「Senriさん、早速カメラマンの契約書、請求書、送られて来ましたよ。チェックしてもらえますか? 内容がよければ進めますので。あたしからの疑問点、交渉しようと思う点は以下の点になりますのでそれも合わせてご確認くださいね」
Kayさんから重要なメールが来たのがわかった。極端に長い文章でもシリアスすぎる内容でもないのだが、中身が「避けて通れない」面倒臭い契約ごとだと「ピン!」、とメールの到着を告げるPCの音でわかる。この「ピン!」が重たいのだ。さあ、これからしっかり英語の束に性根を入れて細部まで読み込まないとならない。
未知の分野を切り拓くときは、何か胸の奥の方がキュッと痛い。この痛みの出所は何処だろう? 小学校の時50メートル走の記録を測る前に感じたあの緊張感と覚悟を決める気持ち。しっかりゴールを見据えて全力疾走しなければ結果は出せないという、退路をたたれた逃げ場のない孤独感とでも言ったらい
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