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薬屋のひとりごと大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っているという話を聞いた猫猫は、 興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫の能力を買い、帝の寵妃の毒見役に任命する。 人間には興味がないが、毒と薬への執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる後宮での噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀には事欠かない後宮で 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられ、嫌々ながらもその仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
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陽炎時は昭和3年。熊本の花街・二本木。男と女の欲望と愛憎がうずまく料亭・八雲に、一人の女胴師がやってきた。女はかつて八雲の娘であった城 島りん。 またの名を<不知火おりん>。二度と足を踏み入れるはずのなかった八雲の敷居をまたいだ時、運命の歯車は、音を立てて激しく反転していく のだった…。