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明治東亰恋伽赤い満月の夜、女子高生の綾月芽衣は、妖しげな奇術師チャーリーのマジックに誘われ箱の中へ。目を覚ますとそこは、明治時代の「東亰」だった! 戸惑う芽衣を助けたのは、森鴎外と菱田春草。言われるがまま馬車に乗せられ、着いたところは鹿鳴館。高官たちが集う華やかな舞踏会の場で、泉鏡花、川上音二郎、小泉八雲、藤田五郎といった歴史上の人物たちと出会う。 この世界では、日没から明け方の「朧ノ刻(おぼろのとき)」に、「物の怪」たちが姿を現す。その姿を見ることができる者は「魂依(たまより)」と呼ばれ、芽衣もこの力を持っていた。慣れない生活の中、彼らと触れ合い芽生えていく恋心。「魂依」の力は、芽衣と彼らをより強い絆で結びつけていく。 しかし、現代に戻るチャンスは一か月後の満月の夜。芽衣が選ぶのは現代か、それとも…… 少し不思議な明治の東亰で、時を越えた恋の物語が開花する――
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昭和元禄落語心中刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。 拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。 八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく・・・。
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くじびきアンバランス全てを“くじびき”によって決める立橋院学園。そこは、卒業生は政界、財界の要人を占め、生徒会 の権力たるやあらゆる国家権力をも凌ぐほどの学園である。この物語は、次期生徒会執行部に選ばれ た榎本千尋たちが、現生徒会の厳しい教育に耐え、実務を引き継ぐまでの、愛と戦いの記録である。 道を歩けば犬に追いかけられ、空から植木鉢が落ちてくるような不幸体質だったはずの榎本千尋が何 の因果か、強運の持ち主ばかりが集まる立橋院学園に合格、さらに最初のくじびきで次期生徒会会長 候補のくじまで引き当ててしまった!副会長候補には千尋の幼馴染で、生まれてこのかた幸運続きの ラッキーガール秋山時乃。書記候補には天才サイエンティストの上石神井蓮子。彼らは、現生徒会か らの過酷な指令をこなし、次期生徒会たる地位を確立せねばならない。立ちはだかる現生徒会は、会 計に、超人的な演算処理能力を誇るアメリカ系関西人のリサ、副会長には、霊剣「残月」を佩き、圧 倒的な戦闘能力を持つ退魔士の香澄。そして現生徒会長は、幼馴染でドイツへ転校してしまったはず の千尋の初恋の相手、律子・キューベル・ケッテンクラートだった…。千尋たちは無事生徒会になれ るのか、律子、時乃、千尋の恋の行方は?「げんしけん」のメンバーも大注目のラブコメディが、い よいよ開幕!
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陽炎時は昭和3年。熊本の花街・二本木。男と女の欲望と愛憎がうずまく料亭・八雲に、一人の女胴師がやってきた。女はかつて八雲の娘であった城 島りん。 またの名を<不知火おりん>。二度と足を踏み入れるはずのなかった八雲の敷居をまたいだ時、運命の歯車は、音を立てて激しく反転していく のだった…。