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BEM湾港都市「リブラシティ」。 政治・経済・文化の中心であり、街の“富”が結集した「アッパーサイド」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウドサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。 これらにより構成される、まさに人間の“差別意識”が顕在化した様な街である。 そんな「アッパー」から「アウドサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う、醜い姿の3人と出会う。 彼らは一体何者なのか・・・? 妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。 人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」、人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」、人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。 彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。 人間のために戦っても、その醜い姿から、決して人間に受け入れられることはない…。 そんな3人を探す1人の存在がいる。 リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?
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バジリスク-甲賀忍法帖-「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」 四百年の永きにわたる甲賀と伊賀の宿怨を断ち切り、 共に生きることを誓い合う甲賀の弦之介と伊賀の朧。 しかし、愛し合う二人は、殺し合う運命にあった…… 慶長十九年。齢七十三歳の家康は悩んでいた。 暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か? 混乱を極める徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着をつけるため、 甲賀を国千代派、伊賀を竹千代として忍法の二大宗家を相争わせ、 それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、 どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下した。 先代服部半蔵との間に交わされた「不戦の約定」が解かれ、 手綱を解かれた猟犬のごとく、怨敵に挑んでゆく忍者達! 己の肉体こそが最大の武器! 人知を超えた秘術をもった、個性溢るる忍びの面々。 老若男女二十人二十色、超人奇人が相乱れ、 秘術の限りを尽くして繰り広げられる忍法争いがいま始まる!! 凄惨な戦いの果てに、一人、また一人と失われていく仲間達…… 勝つのは甲賀か、伊賀か? 果たして、生き残るのは一体誰なのか!? そして弦之介と朧、引き裂かれた二人の愛の行方は……?