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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。 その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。 戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。 幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けていた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、 旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。 道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。 総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。 ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝暦905年。 それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の女王と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北”へと向かう、物語の発端である——。
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狼と香辛料馬車で各地を巡り、数々の物品を取り引きす る行商人クラフト・ロレンスは、収穫祭に沸 くパスロエの村を発つ道すがら、荷台に積ん だ麦束に埋もれて眠る少女を見つける。少女 は狼の耳と尻尾を有した美しい顔立ちで、自 らを豊作を司る神”ホロ”だと名乗った。 「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃ あホロ以外の何者でもない」老獪ともとれる 話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレン ス。ホロが本当に豊穣の狼神なのか疑いつつ も、北の故郷へ帰りたいという彼女の言葉に 絆され、ロレンスは共に旅することを了承す る。そんな二人旅に思いがけない儲け話が持 ち掛けられる。近い将来、ある国の銀貨が値 上がりするというのだ。その儲け話のカラク リを探るべく、ロレンスは話に乗って事件へ と巻き込まれていく。