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薄桜鬼 黎明録文久三年二月―― 浪人に襲われ行き倒れていた井吹龍之介は、 壬生浪士組として上洛の途中であった芹沢鴨 に拾われる。 武士を目指し、志を同じくする者が集う浪士組。 近藤とともに名を上げるべく尽力する土方歳 三と、組のために動きながらも傍若無人な振 る舞いをみせる芹沢鴨…「武士」という在り 方を軸に対立する二人を見ながら、「武士」 を嫌う龍之介もまた自らの生き方に疑問を抱 き始める。 後に「新選組」と呼ばれることとなる男たち の“覚悟”の物語――
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薄桜鬼二六〇年あまり続いた江戸時代が終焉を迎え、明治という新たな時代が幕を開け始める。 しかし、そこには士道を貫かんと、身命を賭して戦い続ける男たちがいた。 薩長土を中心とした新政府軍と、徳川家臣を中心とした旧幕府軍との熾烈な争い―― 戊辰戦争に身を投じていく新選組。 自らの宿命に手繰り寄せられるように、彼らは苛烈な道へ歩を進めていく。 慶応四年一月。鳥羽伏見の戦いに敗れ、江戸へ戻った新選組。新政府軍との再戦を望む彼らに待っていたのは、甲府城で敵を迎え撃つこと。 己の信じた士道に従い戦いをあきらめない土方らに、千鶴も決意をもって接することとなる。 また、新たな勢力の拡大によって、羅刹と鬼の関係にも変化が生じていくのだった。