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泣くな赤鬼城南工業野球部監督・小渕 隆。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導で“赤鬼先生”と呼ばれ恐れられていた。甲子園出場を目前にしながらも夢に破れ、10年の月日が流れた今は、野球への情熱をすっかり失っていた。ある日、診察を受けた病院でかつての教え子・ゴルゴこと斎藤智之と偶然再会する。ゴルゴは野球の才能は群を抜いていたが、堪え性がなく、挫折して高校を中退した生徒だった。今では、20代半ばを越え、妻・雪乃と息子・集と幸せな家庭を築き、立派な大人に成長していた。ところが、そんな再開も束の間、雪乃からゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。あのときかけてやれなかった言葉、気づいてやれなかった想い、厳しくすることでしか教え子と向き合えなかったあの頃の後悔。無力な自分を見つめ、葛藤する赤鬼に、ゴルゴが言った言葉「俺、また野球やりたいな」。赤鬼先生は、ゴルゴの最後の願いを叶えるために動き出す――。
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アオイホノオ1980年代初頭。大阪芸術大学1回生の焔(ホノオ)モユルは、「漫画家になる!」という熱い情熱と野望を胸に抱いて、日々を過ごしていた。 自分の実力には根拠のない自信を強く持っているが、アニメ業界にも興味があり、自分の進むべき道を模索中の焔。そんな焔は、夏休み間際に一つの決断をする。 それは、東京の出版社に漫画の原稿を持ち込みに行くこと。 熱血芸大生・焔モユルの七転八倒青春エレジーが始まる。