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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。 その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。 戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。 幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けていた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、 旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。 道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。 総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。 ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝暦905年。 それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の女王と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北”へと向かう、物語の発端である——。
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ノルン+ノネット少女はずっと独りだった。 彼女がその昔出会った“旅人”はこう言う。 「その服が着られるぐらいになったら、迎えは来る」 やがて17才になった彼女の前に、その船は現れた。 空を往く船『ノルン』。 導かれるままに乗った船には、 『能力者』と呼ばれる10人の男女が暮らしていた。 船はどこに向かっているのか? 彼らはなぜ旅をしているのか? 謎を抱えたまま 運命に翻弄される旅が始まった。