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酒樽の「論文もどき」モドキ

二次元の厨二は厨二と言えるのか?

2015/08/08 15:47 投稿

コメント:1

  • タグ:
  • 厨二病
  • 中二病
  • 思春期
『闇の炎に抱かれて消えろ』みたいなセリフに対して、多くの人は厨二的なセリフだと思うことでしょう。
私もそう思いますし、皆さんとの認識の違いはほぼないと思います。
ただし、あることに注意してみると必ずしも厨二的とは言えなくなることになります。 そのことについてこれから述べていこうと思います。

まず、厨二的言動の特徴として私は2つの要素があると考えました。
1:他人よりも優れていることの誇示
『中二病取扱説明書』(新紀元社)において厨二病を邪気眼系・サブカル系・DQN系の3つに分類されるとあります。 これらの分類すべてに対しても「他人よりも優れていることの誇示」というのは当てはまります。
邪気眼系に見られるセリフ等においてはファンタジー的な異能や出生を自身のものとするような過剰な同一化から、他者よりも自身が優れていると思い込み、自信たっぷりなセリフが生まれると考えられます。
サブカル系に関しても、他者の関心が少ない分野の知識を得ることにより、他者が知りえないことを知っていて一歩先へ行っているような感覚が得られるような、所謂「知ったか」のような態度が見受けられます。
DQN系は暴力に憧れを持ち、それを気軽に行使できるような雰囲気を示唆することで、身体的に優っていると示す狙いがあると思われます。また反社会的なことに言動が傾くことも、不良=暴力といった構図からくるものと予想されます。

2:余裕の存在
厨二的な言動の特徴として、持てる力全てを出したような表現や自身に余裕がないような表現は多くはありません。大体が指先一つで十分だ、とか知ってて当然、とか十人相手にしても平気といったように大きな差を感じさせるような余裕が含まれています。

これらが厨二的要素を構成する部分だと思われますが、もう一つ重要なのは当人は自分の能力を過信している、有り体に言えば当人が言うほどの能力は持っていないということだと思います。
持っていない能力や中途半端な知識で他人と比べようとする為、どこかで矛盾や欠損が露呈することになり、突っぱねるか、はぐらかすか、はたまた他人を否定するかとなり、結果的に他者から変だとみられるようになり、厨二病だと言われることになるのです。

心理学の分野においてこの厨二病と大変似通ったテーマを見つけたことがあります。
それは速水敏彦氏が命名し、氏の論文の一つの『仮想的有能感の構想概念妥当性の検討』において出された「仮想的有能感」というものです。その論文において仮想的有能感の定義を
「自己の直接的なポジティブ経験に関係なく、他者の能力を批判的に評価・軽視する傾向に付随して習慣的に生じる有能さの感覚」
と定義しています。要約するならば、自分が得意でもない分野に関してヘタだの程度が低いだのと言っているうちに自分が優秀だと感じてしまう感覚となります。
この定義は有能感を感じる状況を厨二病の状況よりもより特定した状況にしていますが、他者を非難するだけの能力を自身が感じていることが必要となってくるものだと解釈できるため、厨二病の一つの見方と捉えました。
よってこのブロマガにおいては厨二病=仮想的有能感と捉えることとします。
この仮想的有能感というテーマも、文字通り仮想的な自身の能力からくる感覚について使われており、厨二病研究の重要な要素となると思います。

ここで一つ疑問が生まれます。
もし、本当に他者と比べ絶大な能力差があり、実際に劇的な経歴や異能がある人が居た場合、それは厨二もしくは仮想的と言えるのでしょうか?
前述の通り厨二とは実際に備わっていないもの、または過大評価して優れていると思わせるものといった中途半端さや見せかけから来る仮想的なものであると思われます。 
しかしそれが見せかけでなかったのならば仮想的とは言えないのではないか?
厨二的展開が有名な『BLEACH』においても、劇中の世界は2次元キャラクターにとっては現実なのです。あのような戦闘が常に起こり、個人個人が特殊能力を持っていて、隊長や3席といった階級がある世界であるならば、キャラクターから出るセリフも自然なものであると理解することもできます。勿論私たちは別次元の存在であり、他次元の常識や価値観は紙や画面を介して得られる部分しか知りえない。ならば「そういう世界なのだろうなぁ」と思うのが一番いいのです。

結論として、『異能バトルは日常系のなかで』の主人公や『中二病でも恋がしたい』のような設定をしない限りは、2次元において厨二病は存在せず、『闇の炎に抱かれて消』せるのであれば、そう言ったとしてもまったく痛くない。厨二病は私たちの現実世界に限定したものであると言えます。

参考文献
速水敏彦・木野和代・高木邦子(2004).仮想的有能感の構成概念妥当性の検討.名古屋大学大   学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 51, 1-8
速水敏彦.他人を見下す若者たち.講談社現代新書
塞神雹夜.中二病取扱説明書.新紀元社

コメント

タニ缶
No.1 (2015/09/01 22:16)
アニメ、漫画に出てくる強くて格好良いキャラクターに一度は憧れたことって、皆一度はあると思います。それに憧れたり、真似をしてみたり、なんてのも良くある話で。
例えば鏡の前でポーズを取ってみたり、感情たっぷりに声真似をしたりとか。
只、自分と憧れのキャラが同一の存在だと思い込み、それを周囲に見せ付ける様な行動を取ってはいけない(戒め)
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