休み社-文芸と音楽の日記

★徹底分析! ナユタン星人『エイリアンエイリアン』に隠された歌詞の秘技!★

2016/04/13 00:04 投稿

コメント:5

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 ナユタン星人の新曲『エイリアンエイリアン』がスマッシュヒットし、カテゴリランキング1位はもちろん、わずか4日での殿堂入りと、ニコニコ動画でその存在感をどんどんと増していっています…!

 ……ですが、魅力的なのは音楽だけではありません。多くの人がすでに指摘していますが「歌詞」が非常に良いです!!!! 私も歌詞を書いたりする人間で、ナユタン星人の「歌詞」にすっかり魅了されてしまいました。そして我慢できなくなりこの文章を書いています。

 この記事の趣旨は、ナユタン星人の「歌詞」を分析し、より楽曲を楽しく感じること、そしてその魅力に迫ることです…! ナユタン星人の「歌詞」に隠された秘技に迫ります…!



  ~ナユタン星人の歌詞は「印象の連鎖」で作られてる?!~
 
  ゆれる街灯 篠突く雨
  振れる感情 感覚のテレパス
  迷子のふたりはコンタクト
  ココロは 恋を知りました

  タイトロープ ツギハギの制服
  重度のディスコミュニケーション
  眼光 赤色にキラキラ
  ナニカが起こる胸騒ぎ

  エイリアン わたしエイリアン
  あなたの心を惑わせる
  交ざりあう宇宙の引力で
  感じてる気持ちはトキメキ

  エイリアン あなたのエイリアン
  引きあう心は逃れられない
  あなたに未体験あげる
  異世界の果てまでトキメキ スキ


 『エイリアンエイリアン』の一番の歌詞を引用させていただきました。ナユタン星人の歌詞の大きな特徴は、「歌詞を意味で書いていない」というところです。歌詞から確かにドラマを感じますが、しかし物語調ではありません。カケラのような言葉を、丁寧に「印象を連鎖させて」ひとつの物語に編みあげています。

 たとえば、「ゆれる街灯」「振れる感情」「迷子」「タイトロープ」「胸騒ぎ」という言葉がAメロとBメロにありますが、どこか特徴が似ていませんか? どれもぐらぐらと不安定なものを差す言葉ばかりです。それぞれの言葉の意味は違います、でも歌詞が私たちに与えてくる「印象」は似ているのです。

 ゆれる街灯……感情……迷子のふたり……綱渡りのタイトロープ……胸騒ぎ……これらの不安定な言葉たちは、紛れもなく一点の意味、「揺れる恋」を意味しています。

 逆にいえば「揺れる恋」を、街灯の景色や、感情、タイトロープなどの言葉に投影しているのですね。「ゆれる街灯 篠突く雨」の情景から、「感情」への繋がり、「ふたり」の関係、「恋心」までの言葉の印象はきれいに連鎖しています。説明文が一切なくても、そうなっているのがわかります。すると、「迷子のふたり」「ツギハギの制服」「重度のディスコミュニケーション」の意味もじょじょにわかってきます。

 そしてサビ。あなたとわたしの心は「宇宙」で、「恋」は「未体験」、あなたにとっての「異世界」、つまり「エイリアン」です。

 言葉の印象を連鎖させて、それを「宇宙」にまで飛躍させる。直接的な表現はなくても、いや、無いからこそ鋭くナニカが伝わってくる。これがナユタン星人の歌詞の大きな魅力です!



  ~音楽と歌詞が連動している?!~
 

 『エイリアンエイリアン』は、さらに仕掛けとして音楽と歌詞が連動している特徴があります。音楽と歌詞がバラバラの方向を見ているとやはり損です。音と言葉が連動することで曲は隠された魅力を発揮し、また遊びの要素も得られます。『エイリアンエイリアン』の大きなポイントとしては3つ、「一番Bメロサビ前」「二番Aメロラップ」「ラスサビ」です。

 「一番Bメロサビ前」は「眼光 赤色にキラキラ/ナニカが起こる胸騒ぎ」です。ぐらぐらとした印象が十分に集まったBメロの最後、「眼光」が「赤色」に「キラキラ」、「ナニカが起こる」「胸騒ぎ」……「怪しい印象」で統一されている歌詞ですね。

 ここで怪しい印象と不安定な状態が最大まで伸びて、そしてサビを迎えます。するとサビが効果的に印象に残ります。ナユタン星人はサビが爽快で魅力的ですが、直前の歌詞によりサビを盛り上げる仕掛けがあったのですね。

 二つ目は「二番Aメロのラップっぽいところ」です。ナユタン星人の楽曲のメロディは同じフレーズが繰り返される特徴があります。これがラップを乗せる発想にもつながり、かつ歌に変化が入るため、途中で飽きずに最後まで聞けるようになります。

 「創造現実盲信症 感応性本能」というフレーズがかなり面白いですが、「盲信症」がBメロの「シンドローム」へ、そして病気の暗い印象が「 ひとりきり夜な夜な/空想描く まるでグリモワ」に繋がり、「夜」「グリモア」の暗い印象を「サーチライト」で照らすにまで繋がるのですが、これが結局「点灯と消灯を 繰り返している蛍光灯」にまでバックする!! これは考えられた歌詞だといえますね。ここでも印象が連鎖しています。

 三つ目は「ラスサビ」です。「高鳴る気持ちが抑えられない!」の部分で、実際にカンカンカンカン!とここだけ本当に高鳴るように音が入れられていますね。遊び心ですね~! これによって、本当にココロが高鳴っているように感じられます。音楽と歌詞の連動です。

 他にもラスサビは「瞳に映らない引力に気づいてよ」や「触れあえば傷は 二度と消えない/降りそそぐ無数の隕石も/ときめく心には 届かない」などの、深みのある表現も出てきます。「『瞳に映らない引力』って一体なんだろう」「触れあうとなんで傷が消えないんだろう。隕石が降っても消えないのか」と疑問と衝撃がありました。むずしい言葉はいっさいないのに、こういう表現を書けるのはすごいなぁと、心に残りました。



  ~韻を踏んでる?!~


 二番Aメロにラップっぽいところがあるのはもちろんですが、『エイリアンエイリアン』は「韻がすごく多い曲」です。ご存知の通り、韻を踏むと曲のテンポが良く感じるようになり、リズミカルで飽きせずに聞けるようになります。この韻をナユタン星人はうまく使ってます。

 一番ABメロでは、「街灯」「感情」「迷子の」「タイトロープ」「眼光」の怒濤の「a-ioo-」の韻が目につきますね。主旋律になっています。また最初の「ゆれる」「振れる」の「ueu」や、「コンタクト」「恋」「ココロ」の「ko」も韻で繋がっていますね。

 しかし、「ふたり」「ツギハギ」「胸騒ぎ」の「ai」や、「制服」と「赤色」の「sei」もそれっぽいです。「赤色」が「あかいろ」じゃダメなのか? もし「あかいろ」だとどこか違和感がありますね。直前の「眼光」の「ou」とも韻が踏めないので、「せきしょく」である理由がわかります。

 二番Aメロラップは「点灯」「消灯」「蛍光灯」「超常」「混沌」「並行」「信号」「創造」「盲信症」「感応」「本能」とめちゃくちゃ多いですね。これだけたくさん韻を踏んでいても曲の世界観を壊していないのがうまいです。

 二番Bメロも「夜な夜な」「グリモア」で「oa」で韻が踏んでいます。「シンドローム」「空想」「サーチライト」のラフな韻も見えます。また「サーチライト」と「避ける」も「sa」で韻を踏んでいますね。

 サビは最後の「トキメキ スキ」以外に韻らしいものはありませんが、「エイリアン わたしエイリアン」と、特徴的なワードを繰り返しています。これはナユタン星人に一貫する作風で「アンドロメダアンドロメダ」など、歌詞のリフレインが印象的です。リフレインは効果的に使うとこんなにも魅力的な曲にできるのだと気付かされますね~!



  ~さいごに!~
 

 ここまで読んでくださり、まっことにありがとうございます…!!

 ナユタン星人の「歌詞」に隠された秘技、工夫の数々に、一歩でも近づけたのではないか?と思っております><汗

 こうしてみると、じつに多種多彩な「技」が盛り込まれているのだと痛感しますね~!! 歌詞ひとつだけでも、こんなに色々な角度から見れるのだから驚きです。(『パーフェクト生命』は上のどれとも違う手法で歌詞が書かれていたりと、まだまだ奥があるという……!)

 長い拙い文章を読んでくださりありがとうございました。皆さんの音楽の楽しみに少しでも貢献できたのなら幸いです……!

 ではでは、失礼いたします(๑´ڡ`๑)☆


(2016/04/16)

コメント

のりしお
No.3 (2018/01/21 11:57)
カンカンカンカン!っていう音はライドシンバルの音のことですか?
Sagishi (著者)
No.4 (2018/01/22 03:05)
ライド・シンバルの音なのですね(*´∀`*)ありがとうございます
あずず
No.5 (2020/07/02 12:58)
韻を踏むって何ですか?あと読みがなも教えていただけると嬉しいです。すみません
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