電撃出走ぶらり旅

ホラーゲーム批評第十六回:PANDORA MAX SERIES Vol.2 死者の呼ぶ館

2016/07/18 23:23 投稿

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前回のレビューから間が空いてるうちに、すっかり季節は夏模様ですね。
暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜ!
というわけで暑い夏を少しでも涼しくするべく、ホラーゲームをレビューしていくぜ。今回はこちら!


タイトル:PANDORA MAX SERIES Vol.2 死者の呼ぶ館
開発元 :パンドラボックス
発売年 :2000年

ハード :Playstation

パッケージ裏によると、恐怖と悪夢が織り成す迷宮(ラビリンス)だって

ストーリー
 新米社員の主人公(デフォルトネームは秋山圭介)はある日、勤める不動産会社の「別荘見学ツアー」の案内役の仕事を任される。
ツアー参加者として集まった六人の男女を率いて目的の別荘に向かう主人公だったが、道中で深い森の中に迷い込んでしまう。その森は「迷いの森」「人喰いの森」と噂され、恐れられるる場所だった。
暗い森の中を当て所も無く彷徨ううちに、一行は一軒の不気味な屋敷に辿り着いた。
館の主人らしき老人、佐倉に促されるままに館に立ち入った主人公達に襲い掛かる恐怖。
そんな中、主人公は佐倉老人の年の離れた美しい妻、葵に不思議と惹かれていくのだった……。



というわけで、このゲームはパンドラMAXシリーズ第二弾として発売された、テキストホラーアドベンチャーゲームである。
パンドラMAXシリーズは「1980円の超大作」という触れ込みでパンドラボックスから発売された低価格が売りのシリーズで、発売予定のタイトルが変更になったりしながらも全6作が発売された。
「死者の呼ぶ館」はその2作目で、シリーズでホラータイトルはこれだけである。

このゲームの開発会社のパンドラボックスと言えば、飯島 多紀哉氏が中心となって創設した、かの傑作ホラーADV「学校であった怖い話」等で有名な会社。

あれ?飯島 多紀哉氏って他のタイトルで名前を聞いたことがあるような……って人に言っておく。

タイトルに(仮)がついてる有料βソフトはいまは関係ないだろ!
いい加減にしろ!!!!


というわけで、数字みたいな名前のゲームタイトルを想起するのは禁止!禁止!禁止です!

あと、データコンバートで見られる追加シナリオは見てません。ドラゴンナイツグロリアス持ってないので。

最初に言っておく。俺はかーなーり、辛い!

 誠に申し訳ないのですが、今回の記事を読んでくださっている方には最初に謝っておかないといけないことがあります。
いつもはレビューを書く前に、エンディングを全コンプしてから記事を書くのですが、

この作品に関してはエンディング全コンプしてません。

言い訳なんですけど、このゲームの周回プレイめっちゃ辛いんです……。

まず、このゲームはセーブファイルが一個だけ。
進行データとシステムデータは共用。

ノベルゲームではだいたい採用されている、システムデータの別セーブは無し。
途中セーブする時も、最初に作ったセーブデータを上書きするのみ。

これがどういう事かっていうと、

エンディングを迎える度にまたゲームの最初からってこと。

例えば終盤の方でエンディングが分岐する選択肢があったとして、その手前で途中セーブしたとしても、どちらか一方のエンディングを迎えたデータしかその周回では残せません。
(エンディング後のクリアデータセーブで進行度は強制的に最初から)
なので終盤のその一個の選択肢を選ぶためだけにその箇所までもう一周ゲームを遊ばなければなりません。

そしてこのゲームには26+2種類のエンディングがあって一周がちゃんと文章を読めばだいたい2~3時間、読み飛ばして○ボタン連打をすれば1時間程度かかります。

既読スキップ? メッセージ早送り?
そんなものはない。

 おまけにストーリー分岐するとは言っても、ほとんどのエンディングで大筋のストーリーはほぼ一緒。
最後に誰と一緒に脱出するか?みたいな部分は変わっても、そこに至るまでの展開や、キャラとの会話は枝葉末節の変化はあっても大抵一緒。

そしてフローチャート機能みたいにどこの選択肢でどのようにエンディングが分岐するのかや、エンディングの数がいくつでどのエンディングを自分が回収したのかを確認する機能は皆無。

辛うじてどの選択肢を過去に選んだことがあるのかを色分けする機能はあるけど、それだけだと正直辛い。

 つまりエンディングをコンプするためには、自分がどんな選択肢を辿ってどんなエンディングを回収したかを自分でメモしつつ、手動メッセージ送りの連打に耐え忍びつつ、同じ文章を何十回、何十時間と読み続けるセルフ拷問に耐えきらないといけないのだ。

耐え切れませんでした……。(小声)

こんなもん、血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ!
どんな名小説でも短期間に十回読めば飽きますよ! いわんやこのゲームをや!





初回クリア時の達成率。
完全クリアにはこの数値を100%にすれば
いいんだな!と思うかもしれないが
この数字は選んだ選択肢の%を表しているので
エンディング回収率とはまた別の表示
ややこしい!





 エンディングコンプの障壁はこれだけじゃない。
自作のメモや攻略サイトを携えてけなげに攻略しようとするプレイヤーの心を地味に折りにかかってくる存在。
それが選択肢の時間制限である。
「あれ? この選択肢どっち選ぶんだっけ?」ってカンニングしてると勝手にストーリーが進んでめんどくさい事になるぞ!

全部の選択肢に時間制限があるわけじゃないんだけど、重要な選択肢には時間制限があるし、時間切れになると大抵ろくなことにはならないっていう追い打ち。
なので自分の狙った選択肢をきちんと選びたかったら、事前にどこの選択肢で何を選ばないといけないかを予習してきっちり頭に叩き込んでおく必要がある。
……辛い。

エンディングコンプにかかる時間は30~40時間ぐらいかなあ……。

人喰いの森(ただし安全地帯)

 というわけで、自分はこのゲームのストーリーの全てを見たわけではないので、ストーリーに関して云々言うのはおこがましいんですが。
とはいえ一応トゥルーエンド(全員生還エンド)は見てるので、そのトゥルーエンド基準で語らせてもらうと、

話の完成度はあんまり高くない……。

本編の登場人物は8人なんだけど持て余してる感がありありで、死んだわけでもないのに物語の途中から絡んでこなくなる人物がちらほら。
途中で姿を消した人物がラストでひょっこり現れて、
「森の中でずっと迷ってました(意訳)」
とかのたまいだした時には全身の力が抜けた。
「人喰いの森」ってなんだったんだよ!!森の中安全じゃねえか!!

以下、軽く登場人物紹介。





嫌味なボンボン、一条省吾。
わりと展開によってキャラが変わる人物。












霊感少女の植田舞子。           
なんかヒロインっぽい感じを醸し出しているが実際はそうでもない。           
激昂すると顔のデッサンが崩れがち。    
どうでもいいが説明書イラストと配色が違う。










The 空気。特筆事項無し!












手首周りに包帯……あっ(察し)になるメンヘラ神田美沙さん。
とにかく作画が安定してない人。
クリア後に解放される外伝1だと実質主役。












喋らない女の子、緒方可奈。
とりあえず人形の趣味が悪い。
頭にリボンのセンスも正直どうかと思う。












娘の事になると急に発狂する危ない父親、緒方浩二。
あれ、よく考えたらこの親子いなくてもこの物語って十分成立するんじゃ……










館に住んでる佐倉夫婦。
このゲームはこの美人嫁を寝取る寝取りゲーである。
爺は驚かせ要員。







さて、キャプ画像の横の人物解説がスカスカだと思われたかもしれませんが、それは本編の人物描写が薄くて特に語る事が無いからです。
キャラの掘り下げはあんまり無いし、あっても終盤で急に出てきて捲し立てるように説明台詞を喋ってくる。

 では話の筋自体はどうかというと全体の起伏が乏しくて、なんとなく事件が起き、主人公が特に何かをするでもなく、なんとなく話が終わっていく。
校長先生の朝のお話を聞いているかのような退屈さが終始続くぞ!

なので、人物・心情描写自体はスカスカなのに文章が間延びしてて全体が長く感じてしまうのがけっこう苦痛。

あとこのゲームの冒頭は平安時代から始まるんだけど、わかる人ならここでだいたいどんな話になるか予想がついてしまうと思う。
実際に話の比重はかなり恋愛と伝奇寄りで、恐怖要素は薄い。

展開に抑揚も無く、意外性も無く、普通に理解力のある人間ならゲーム冒頭部分でストーリーの見当がついて、だいたいその予想を裏切らずに終わっていく。
大きく破綻してるわけじゃないんだけど、特に面白みも無いっていうね。

こういうのが一番言葉に困る!!

ホラーとしてはどうかと言えば
ホラーを期待すると相当駄目な感じ。今回もまたこんなゲームか……

ホラー抜きで読み物として見ても、特に秀でた部分もなく冗長にすぎる印象。

んで、ゲーム中には脈絡なく突然ミニゲームが挟まるっていう空気の読めなさっぷり。

「夕食後にみんなで集まってトランプしようぜ!」って中学生の修学旅行か!





唐突に始まるミニゲーム。本筋には関係なし!
このゲームはラストワン。要はUNO。
他には神経衰弱、15パズル、王様の結婚というミニゲームがあり、一度本編で遊べば
タイトル画面のおまけから自由に遊べる。
遊びたいかは別問題!





ん、待てよ?唐突に始まるミニゲーム……神奈川……奈良……徳島……


うっ頭が。

おまけのごちゃちるのほうが面白い

 このゲームは低価格の割にはおまけがそこそこあるのが、褒められる点の一つに挙げられる。
先述のミニゲーム百物語、毒気の強いショートストーリーごちゃちる、一定条件を満たすと解放される外伝2作、サウンドテストシリーズの宣伝映像、企画のお知らせのインフォメーションなどがある。




充実のおまけ。
嬉しいかどうかの判断は委ねる。









百物語は100篇ある怪談のうちの一つがランダムに再生されるというシステムで、その内容は玉石混交……いや、石ばっかりかな……? 玉を見た覚えが無いような……。




短い怪談が100種類収録されている百物語。
唐突に終わるものや、よくあるような話、実は笑い話の物など、はっきり言って質は低い。
あれ、どっかでこの感じ味わったような……
しじゅうは……







インフォメーションには時代を感じるコンテンツがてんこ盛りだ。



どこに需要があるのかわからない感じの企画群。
どのくらいの応募があったのか気になる。












コスプレしたコンパニオンを見つけるとグッズがもらえたらしい。
この企画本当にやったのかなあ。
実際に探しに行ったよって人いたら連絡求む。








シリーズの宣伝映像は、予定されてたけど発売されなかった「リストラの朝」「闇の蛹」の予告が入っているぞ。
この二つは一体どんなゲームだったんだろうか。

外伝1と2は本編で一定条件を満たすとでてくるんだが、外伝2はエンディングコンプしないと出てこないので見てません!
外伝1は分岐なしのストーリーで、主人公の上司視点で本編を描いたものになっている。他に特に言う事はない!

というわけで総括に移ろu


おっと忘れてた。

残りの一つごちゃちるはメルヘンチックなキャラが登場するストーリー。
短いんだけど話はきっちり分岐するし、話にオチもついてキャラも立ってる。

あれ、こっちの方が面白くね?

実際にパンドラMAXシリーズで後にごちゃちる単品で商品化もされてるしな。
本編に疲れたら息抜きにやってみるといいよ。

総括

 良い所も特に無いが、どうしようもなくは無い。ただただ不親切さと水増し感が目立つゲーム。

中古価格だとだいたい500円以内で買えるし、PSストアのゲームアーカイブスで617円で購入可能なので入手難易度は低い。
入手したいかどうかはまた別の話だ!

ただしこのゲームは初期出荷ソフトに不具合があって、
エンディングリストが全部埋まらない
というバグがあるそうなので、中古で物理ソフトを購入する場合は注意が必要だ。
なるべくアーカイブス版をオススメする。買うならね。買うなら。

東京シナリオ……緑にならない……頭の中で何かが……

CDのレーベル面がキャライラストで線の色が青なら修正版なので、店員さんに言ってチェックさせて貰おう。
そこまでして買いたいかはまた別の話!
ちなみにレーベル面が館のイラストでタイトルが赤字で印刷されていたら修正前なので注意しよう。

あと「パンドラMAXシリーズVOL.5 ごちゃちる」には100%セーブデータが収録されているそうなので、外伝2が読みたければ精神衛生上そっちを買った方が良いと思うぞ。これはほんとマジで。

ついでに「パンドラMAXシリーズVOL.1 ドラゴンナイツグロリアス」を持っていると「館であった怖い話」が追加されるそうなので、飯島ファンならかっておくといいかも。
俺は持ってないのでどんな追加シナリオかは知らない! そのうち買ったらこの記事に追記します。

っつーわけで長くなったけど今回の記事はこれにて終了!また次回!
次回のゲームは、え? しじゅうは……

うわあああああああああああああ!





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コメント

オタメガ2
No.1 (2017/09/27 01:39)
学怖の会社か…
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