多くのひとの家と向き合い、家に関する様々な情報を日々蓄積している建築家さん。

そんな家を知りつくしていると言っても過言ではない彼らが自分の暮らしのために選んだものってどんなもの?

建築家さんご自身の家を、シリーズでお伝えしていきたいと思います。

まずは青木律典建築設計スタジオの青木律典さんのお宅をご紹介。

建築家さんは事務所と自宅を兼用にしていらっしゃる方も多いのですが、青木さんもそのひとり。築36年の団地をリノベーションして事務所兼自邸としています。

端正という言葉がぴったりの、すっと背筋の伸びるようなお宅です。広さは56.97㎡。神奈川県川崎市麻生区にあります。

玄関を入った瞬間にリビングが丸見えで、かえって狭さを強調してしまっていた2LDKに、玄関から伸びる土間を設け、あえて間仕切りをつくり適度に隠すことで、奥行きを感じさせる空間に変身させました。

入って左側がダイニングキッチンです。窓には障子を設置。中桟をできるだけ細く、少なくデザインしたことで、シンプルで洗練された印象になっています。

リビングの間仕切りは可動式。すっと開けた空間にすることも。

ベッドルームも極めてシンプル。

木を吊るしたショップのようなハンガー掛けは取り入れたいアイデア。

土間の突き当たり。何気ない場所ですが、照明までも計算されています。

そして注目はこちら。シンプルで美しい洗面台…だけではありません。左のほうにトイレが鎮座しているのがおわかりいただけますでしょうか。「広さが限られているので、トイレを“部屋”にしてしまうとスペースがもったいない」(青木さん)と、洗面とトイレを一体化。

使うときは上の板をあげて。トイレを使わないときは、カウンターで洗濯物を畳んだりアイロンをかけたり。ありそうでなかった工夫で空間を有効活用です。

こちらはワークスペース。壁面や机の下を利用して、大量の資料や雑誌を整然と収納。

約57㎡とコンパクトながら、ご自身のライフスタイルに合わせた家づくりで、なんともスマートで美しい事務所兼自邸を実現。なるほど、「さすが建築家さん!」のお宅ですね。

(写真:1枚目のみtakuji iigai、他すべてAtsushi ISHIDA (IPS.inc))

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仕切り方の工夫により広がりを持たせ 障子を用いて美しい表情の空間に | 青木律典建築設計スタジオ

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