あなたは移住を考えたことがありますか?
わたしルーミーキュレーターの中村は、2012年に東京から京都府乙訓郡(オトクニグンと読みます!)大山崎町に夫婦で移住しました。移住の直接のきっかけは2011年3月11日におこった東日本大震災です。このとき、自分たちの生き方・働き方を見直そうと思ったのです。
移住してからの二年間、移住前に予想していたこと、予想していなかったことを含めてたくさんの素晴らしい体験をしました。そこで今回は、わたしが考える「地方への移住を検討してみるべき7つの理由」を紹介します。
なお、「移住」という言葉そのものは「住む場所を変える」という意味ですが、最近の文脈で語られる「移住」にはもっと別の意味が加わっているように思います。今回は「地方移住」をわたしなりに定義して「自らの意思で目的を持って大都市から地方へ移り住み、新たな生活を始めること」としておきます。なので、会社での地方転勤などは含めません。
1. 生活する地域・町を自分で選択することができる
あなたが大都市(たとえば東京)を離れて、どこか地方の町で暮らすことを想像したとき、どんな町で暮らしたいですか? 潮風を感じる港町や、豊かな緑に囲まれた町、はたまた学生時代に旅の途中で訪れた忘れられない町。
(自らの意思で目的を持って)地方移住を考えるということは、様々な制約をいったん忘れてあなたが本当に暮らしたい地域や町を日本全国から選ぶということです。本気でこれを考えてみるだけで、今の生活を見直すきっかけになります。わたしは思うんです、自分の人生、自分の暮らす場所は自分で決めたい。その方がきっと楽しい。
2. 理想のライフスタイルを追究することができる
あなたはどんなスタイルで毎日の生活を送りたいですか? 「毎日朝起きたら外に出て、山を眺めながら思いっきり“のび”をしたい」とか「仕事が終わったら子供をつれて近くの川に遊びにいきたい」とか。地方移住は、自分が理想とするライフスタイルを実現させるひとつの方法になりえます。
地方移住を考えるとき、その土地で「どんな仕事ができるのか/したいのか」など「仕事」のことをまず考えてしまうのはしかたがないことかもしれません。でも、人生において大切なことは仕事だけではありません。自分にとって一番大切なことを追究するために、地方移住という選択肢も検討してみてください。
3. 自然を身近に感じることができる
大都市を少し離れると、日本には驚くほど豊かな自然が広がっています。山や海などの自然を求めて地方へ移住する方は多いと思いますが、なにも人里離れた場所に移住する必要なんかないんです。
島国である日本では、スーパーやコンビニ、飲食店などがしっかりと備わった町であっても、近くに山や海を眺めることができる場所はたくさんあります。無理をしない範囲で、あなたが求める自然あふれる町を見つけてみてはいかがでしょう。
ちなみにわたしが移住した大山崎町は、天王山と淀川・桂川にはさまれた自然豊かな土地でありながら、京都と大阪の中心部にそれぞれ電車で30分かからないというとても便利な場所なんですよ。
4. 異なる文化や価値観と出会える
日本は小さな国です。でも、その中には地域によってたくさんの異なる文化や価値観が存在していることに驚かされます。わたしは関東から関西に移住しましたが、うどんの味付けの違いや方言の違いはもちろん、スーパーで見たこともない野菜に出会うこともあれば、全く知らなかったとんでもなく大規模なお祭りが行われていたりもします。
情報があふれる現代、インターネットやテレビを通じて、日本のことくらいはだいたい知っているつもりになりがちです。でも、実際には住んでみないとわからないことがたくさんあるものです。地方移住はあなたの価値観をゆさぶり、視野を大きく広げてくれることでしょう。
5. 地域住民同士の交流を楽しめる
地方移住を考えたとき、移住先での人間関係に不安を抱く人がいるかもしれません。「ご近所づきあい」という言葉は、いまではネガティブに聞こえるかもしれません。たしかに人の動きの激しい大都市に比べ、地方ではご近所同士のつながりは深いです。
しかし、都市から地方への移住が増えるにつれて、移住者がよそ者扱いされることは少なくなってきていますし、むしろ(特に若い人の)移住を自治体も住民の方々も歓迎してくれるケースがほとんどで、とても親切にしてもらえます。わたし自身は近所の方が野菜やお菓子を分けてくれたり、地元のお祭りで生まれてはじめて神輿を担がせてもらったりと、地域での交流を存分に楽しんでいます。
6. 移住者だからこそ気づける価値がある
大都市(特に東京)には最先端のものが集まっています。でも、そんな大都市から地方へ移住したあなたは、これまで目にすることがなかった美しいもの、かっこいいものを見ることになるでしょう。
江戸時代の木造建築や大正・昭和のコンクリート建築。広がる田園風景に、旧街道に立つ神社の鳥居。長くそこに住む人々にとっては当たり前すぎてあまり関心を払われていないかもしれないそれらは、移住者にとってはとても価値あるものとして映ります。
これらはあなたをワクワクさせ、それを誰か(たとえば大都市に住む友人)に伝えたくなるでしょう。そのことは結果として地域の魅力を全国に発信することにつながります。
7. 仕事は見つかる、生み出せる
地方移住において無視できないのが「仕事をどうするか」という問題。実は選択肢はたくさんあります。たとえばあなたが東京の大企業で働いているのであれば、その経験や能力を必要とする地方の企業や団体はきっとあります。また、クラウドソーシングの拡大でフリーランスとして仕事を得るハードルも下がっています。
さらに地方は物価が安いので、現在のお給料と同額を稼がなくても生活していけます。そして、前述したようにあなたは移住者として地域の見過ごされてきた価値や魅力を発見できるという利点を持っています。「移住するために企業を転職したけど、おもしろいものを見つけたから起業してこれを仕事にしちゃおう」なんてことは十分に考えられると思います。
いかがでしたでしょうか。
わたしは最近、地域に暮らす同じ想いをもったメンバーと「oYamazakiまちのこしプロジェクト」という活動をスタートしました。「まちおこし」じゃなくて「まちのこし」。自治体の枠を超えて、自分たちが暮らす土地の文化や建築、風景を残したいという想いからです。
人生の多くの時間を大都市で暮らし、「地域活動」というものとは無縁で生きてきたわたしがこんなプロジェクトをはじめるなんて、周りの友人はもちろん、わたし自身2年前までは想像もしていませんでした。
大都市で生きることを否定するつもりはまったくありません。ただ、地方移住には生き方・働き方を大きく変える力がある。そのことを伝えられたらと思っています。
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