ビンテージ感たっぷりのテーブル。
古くから使い込まれていたような、ラフな雰囲気のテーブルが作れないかな? そう職人に相談して生まれたのが「vineテーブル」。
このテーブルは、「お酢」がないと完成しないんです。
ずらりと並んだ粗い木材。普通、テーブル用ならフラットに削られて加工されていますが、木の質感を活かすために、加工前のラフな材木を仕入れます。
チクチクしない手触り、でも天然の木材の質感は感じられるように、絶妙なバランスでペーパーがけ。人の手でなければ表現できない手触りです。
そして木の素地ができあがったところで、登場するのが「お酢」。炭のように真っ黒なこちらは、鉄サビをお酢の中に入れて作った酸化鉄の溶液なのです。この溶液が木材の中に含まれるタンニンと出会ったとき、木に変化をもたらします。
これは日本女性の“お歯黒”に使われていたものとほぼ同じ。この作用を活用したものです。
木に塗っていくと、はじめは透明感のある液体だったのが、しばらくすると真っ黒に。
そう、これは塗装ではなくて、木が自ら発色する天然の“染色”。ベースに、落ちない黒の塗装を施すために、職人が考えた化学的な裏技です。
この上に淡い色の塗装を重ね、色の層をつくって、また剥がす。まるで着物のかさねの色目のように、透け感のあるビンテージスタイルを作っていきます。
最後にウレタン塗装をハケで塗り、ラフさとつややかさを表現しました。
アンティークチェアと合わせるのもよし、ビンテージスタイルのワークデスクとしても使えそう。
友達が来たら自慢しなくちゃ。「これ、お酢で染めてるんだよ?」ってね。
vine ダイニングテーブル[finger marks]