カトリックの「聖体の祝日」を祝って、スペインのカストリージョ・デ・ムルシアでは19日から23日まで“El Colacho”と呼ばれる祭りが開催されています。
国際的には“the baby jumping festival”として知られるイベント。牛追い祭りやトマト祭りには及びませんが、スペイン国内の遠方や海外から訪れる人も増えている定番の祭りです。
テレビなどで見たことがある人もいるかと思いますが、この祭りのハイライトはなんといっても赤ちゃんをジャンプするところ。
産まれて1年未満の赤ちゃんがマットに寝かされます。
赤と黄色の服を身にまとった悪魔役が勢いよく助走をつけてジャンプ!
あぶない!
でも大丈夫。“El Colacho”は1620年から続いているといわれますが、400年近く赤ちゃんがケガをしたことは一度としてないと伝えられています。
噂によると悪魔がジャンプをする際にハムストリングを負傷したことはあるらしいのですが。
この儀式は、赤ちゃんの誕生を祝福し原罪を取り除くと考えられ、また生まれたばかりの子たちを病気から守るともいわれています。
カトリック教会は洗礼以外は認めず、この儀式、お祭りもカトリックの祭事としては非公式ながら、この時期になると街は活気に満ちあふれます。
悪魔が参加者を追いかけ、むちで叩く一幕も。ほかの祭りほど甘くなく、むちの一撃はかなり痛いそうです。
いろいろとシュールな“El Colacho”。生後1年の赤ちゃんを連れていくのは難しいですが、一度は参加してみたいですね。
<悪魔のむちを味わうために>
・カストリージョ・デ・ムルシアへはブルゴスから
カストリージョ・デ・ムルシアへ直接アクセスできる公共交通機関はなし。rome2rio※で調べるとVillasandinoまではALSAのバスが出ているようですが、ALSAのサイトではこのルートはヒットしません。タクシーだと5000円程度のようなので、現地に行ってバスがなければタクシー、という2段構えで準備するのがいいかもしれません。
※ルート検索サービス。Googleの検索で出ないルートも提案してくれるので使い勝手がよい。ライドシェアも候補に挙げてくれるなど実用的だが、情報のアップデートがやや遅い?
・ブルゴスでは大聖堂の見学も
マドリードやバルセロナといった主要都市からブルゴスへは、鉄道やバスで。時間や旅行スタイルに合わせてお好みで選ぶといいかと思います。ブルゴスでは世界遺産にも登録されているブルゴス大聖堂の見学をお忘れなく。ブルゴスからは近年スペインで人気の目的地・ビルバオも行きやすそうです。
・日程が変わる可能性も?
聖体の祝日は移動祝祭日ですが、2015年は6月4日、16年は5月26日とあらかじめ日程が分かります。
しかし、ここはスペイン。どのサイトにも冗談めかして「気まぐれで日程が変わっても驚いてはいけない」と書かれています。また、あらかじめ交通機関などやお店の営業時間を調べていっても、予定通りにいかないことも多いので、余裕を持った旅行のプランニングを。
[Fest300]