シティボーイ&ガールのスニーカー入門その2。
前回「ニューバランスの違いを勉強してみたよ」ではNew Balanceの定番の一つでもある500番台の違いを解説しました。
今回はNew Balanceを語るうえでは外せない900番台について解説していきたいと思います。
1906年にアメリカのボストンで創業したNew Balance。そして1982年に登場したのが「990」。
当時の広告には”On a scale of 1000 this shoe is a 990.(1000点満点で990点に到達した)”と銘打たれるほど、ハイレベルのクッション性と安定性が搭載されていました。ちなみに当時から28,000円というスニーカーにしてはかなり高価なものでした。
現代においても2万円を超えるモデルがかなり多く、セレクトショップなどで見かけて、ため息をつくシティボーイ&ガールも多いのではないかと思います。
なぜそんなお高いかと言いますと、ハイテク素材+職人の手縫いによるものだからなんですね。500番台と違って、99X番台に多いのが“Made in USA”。アメリカの靴職人さんのクラフトマンシップが今も受け継がれています。
動画見ると分かりますがステッチを縫う作業などは「マシーンよりも正確なのでは!?」と思うほどです。
前置きが長くなりましたが、500番台と99X番台の大きな違いは2つ。
「シルエット」と「ソールの中と外」の違いです。
以前紹介した500番台と比べて99X番台はつま先がやや細身になっています。
そしてソールは基本的に2種類からの作りになっています。これは元々99X番台がオンロードのマラソン、あるいはコンクリートの街履きを想定しているからだとも思われます。
まずはファーストモデルをみていきましょうか。1982年に発売された「990」の現行バージョンが「M990」です。
「M990」
ソールにホワイトとグレーの違うアウトソールになっています。触ってみると分かるのですが、グレーが固め、ホワイトがやや柔らかいソールになっています。
2012年に発売された「M990v3」などを見てみるとソール部分はもっと顕著に分かります。
「M990v3」
ナナメに違うソールがかみ合わされいますね。
また、99X番台が500番台と大きく違うのは“ソールの中”、つまりインソールの裏側に違いも見てとれます。500番台はソールを囲うように縫われてます。
一方で99X番台は真ん中に直線で縫われています。
靴底と側面を一体化することでフィット感を高めており、99X番台がオンロードのランニングシューズであることが分かります。500番台がふわっとした履き心地に対して99X番台がきゅっと足全体を包むような履き心地になるのはこのためですね。
ソールには以前にも紹介した「Encap」や「C-CAP」、さらに発泡素材の入った「Abzorb」が使われています。中には革靴や登山靴でも有名な「Vibram」社のソールを搭載しているものもあります。
3種のソールが使われていることが最も分かるのは「ML999」でしょうか。
「ML999」
くっきりななめに種類の違うソールが見てとれるのではないでしょうか。
ちなみに99X番台でお財布的に優しいのは、アメリカ製ではないモデルがお手頃かと思います。先ほどご紹介した「ML999」は13,800円、女性モデルも存在する「996」は1万円前後です。
「WR996(女性モデル)」
「MRL996(男性モデル)」
雲上の履き心地とも言われるNew Balanceですが、このへんのソールによってクッション性などが変わってきますので、ソールを見ながら履き心地を試してみるのもありかもしれません。
[Newbalance]
<NEW BALANCE>何故値段が高いの?! [Beauty&Youth]
New Balance 990 [Sneaker News]
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