子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。
大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。
というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。第33回は、松岡享子作・林明子絵 『おふろだいすき』です。
1982年初版の絵本です。
ストーリーはこんな風。
まこちゃんという男の子がひとりでおふろに入ります。
おふろに入るときは、いつもあひるのおもちゃのプッカと一緒。
まこちゃんもプッカもおふろが大好き。
そして、まこちゃんが一人で上手に体を洗っていると、プッカが「まこちゃん、おふろのそこにおおきなかめがいますよ。」と言い、カメやペンギン、アシカやカバ、くじらが次々と湯船から現れました。
オットセイがシャボン玉を吹いてくれたり、カバの大きな体を洗ってあげたり・・・みんなで、湯船に入って1から50まで数えると・・・
もし、お風呂に動物たちがいたら・・・
まこちゃんの想像の世界がどんどん広がって、動物たちとお風呂で過ごすとても楽しい時間。
林明子さんの柔かい色づかいと優しい絵が、なんだか、温かな気持ちにさせてくれます。
特に、立ち上る湯気や泡が気持ちよさそうで、ゆっくりとお風呂に入りたいなぁと思ってしまいます。それに、カバくんがまこちゃんにからだを洗ってもらっている時の顔が、なんとも幸せそうで・・・。
子どもの想像の世界がそのまま切り取られたような絵本。
まこちゃんおうちの湯船はいったい、どこにつながっているのでしょう。
こうやって、自由に動物たちと遊んだり、さらに、どこか他の国に行ったり、お姫様になったりできる子どもたちの創造力を大切にしてあげたいと改めて思うのでした。
おとなのみなさんも今日はゆっくりお風呂に入って、目を閉じてみてください。
もしかしたら、空想の世界に旅立つことができるかもしれませんよ。
「おふろだいすき」 松岡享子作・林明子絵 (福音館書店)
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