オリジナルで世界に1つしか無い手作りの服って持っていますか?
オランダに住むLoes Veenstraさんは、そんなセーターを1955年から現在に至るまで編み続けてきました。その数、500枚以上。それをまとめたのがこの本、「HET VERZAMELD BREIWERK VAN LOES VEENSTRA」です。
1つとして同じデザインのセーターは存在せず、どれもとっても独特で魅力的なパターンと色の組み合わせで作られています。でも、このセーター、誰にも着られないまま彼女の家で眠り続けていたのです。
そこでこのセーターに目を付けたのが、オランダのデザイナーであり、アーティストでもあるChristien Meindertsma氏。それぞれセーターにナンバリングし一冊の本にまとめただけでなく、フラッシュモブのようなスタイルの動画を作成して配信しました。そう、500人にも及ぶ出演者が、彼女のセーターを着て踊ったり行進したのです。
彼女のライフワークとも呼べるセーターが、こんな形で命を吹き込まれ、動きだし、世界中にお披露目されたのです!映像の中での彼女の表情がとても感慨深いです。
世の中にある多くの物が大量生産されている今、500枚のセーターを生産するのはそんなに時間のかかることでは無いかもしれません。コストも削減出来ますし、少なくとも50年もかからないですよね。しかし、間違いなく彼女の手作りセーターには大量生産された服には持ち得ないものが宿っていると思うのです。
ファッションカタログでもなく、アート作品と呼ばれる訳でもない、彼女がコツコツ作り続けたハンドクラフト・ワークが収められたこの一冊。ゆっくりお茶でも飲みながら彼女のセーターを眺めてみたいです。
[FOLKS Christien Meindertsma]
Het Verzameld Breiwerk van Loes Veenstra (The Collected Knitting Of Loes Veenstra) by Christien Meindertsma[Ti Pi Tin]