上の写真の道具、一見するとティーセットのようにも見えますが、実はコーヒーのドリップセットです。
こちらの画像を見ると、どのように使うのかがわかりますね。
この不思議なデザインのコーヒーセット、カナダのブランド「mjölk」のために作られた「sucabaruca」という作品です。
特筆すべきは、この製品を生み出したのがイタリア人デザイナーのLuca Nichetto氏であるということ。イタリアでコーヒーといえばまずエスプレッソです。ですがこちらの作品は、フィルタードリップコーヒーのためにデザインされています。
イタリアのヴェネチアに生まれ、現在はスウェーデンのストックホルムにもオフィスを構えるLuca Nichetto氏は、この作品でアメリカや北欧に広がる現代のフィルターコーヒーの文化と長い伝統を誇るイタリアのコーヒー文化を結びつけることを目指したそうです。
プロジェクトには様々な文化的背景を持つ多国籍なメンバーが参加し、北欧や日本の製品の影響も受けているとのこと。
このコーヒーセットの特徴のひとつは、カップやサーバーなど、すべてを自由に積み重ねることが出来るということ。
この作品、日本のデザインや北欧のデザインなどのどれとも似ていてどれとも異なるなんとも不思議な感覚を抱かせます。
コーヒーは飲み物としての美味しさや品質だけではなく、道具やお店のデザインなど、それを取り巻く文化を含めて進化していくものだと私は考えています。
Luca Nichetto氏の目指したものは、ドリップコーヒーの世界を進化させたアメリカ生まれのサードウェーブコーヒーに、独自のコーヒー文化を持つイタリアや日本などの様々な要素を取り入れて、新たなステージへと押し上げる流れの一端のように私には感じられます。
sucabaruca coffee set by luca nichetto for mjölk