「進撃の巨人」はどうも性に合わなかったFP山崎(@yam_syun)です。割と初期のうちから凄いマンガだなあとマークしていたんですが、ここまでヒットするとは思いもよりませんでした。コミック業界2013年最大のトピックスだったかもしれません。
さて、今回紹介するコミックは、まだ1巻が出たばかりの、評価も定まっていない一冊。話がどう展開していくかも未知数ですし、この後刊行数を増やせるかどうかは分かりません。しかし、誰かに紹介してみたい魅力のある一冊です。
「クジラの子らは砂上に歌う」をご紹介します。
■わずか500人が暮らす砂上の楼閣
砂の海に覆われた世界をさまよっている船「泥くじら」が舞台。わずか513人が世界のすべてであると信じ、そこに暮らす主人公チャクロ。彼らの世界では「情念動(サイミア)」と呼ばれる魔法のような力を持つ「印」と、「無印」がともに暮らしています。
しかし、わずか500人のゆったりとした小さな世界はある日、大きく動き始めます。漂流してきた廃墟船に、主人公達は初めて「外の人間」を発見、その少女は泥くじらの生活に影響を受け、泥くじらの住民も少女に影響を受け始めます。
主人公チャクロは記録係であり、彼の残した膨大な記録を読み返している、という設定から、壮大なファンタジーの幕が開きます。
出版社のホームページで少しだけ試し読みもできますので、ぜひチェックしてみてください。絵柄と世界観に惹かれたら、これはもう「買い」でいいと思います。
■早く2巻が読みたい展開に心奪われる
ここでは詳細を書きませんが、世界観が明らかにされ、最初のボーイ・ミーツ・ガールがイベント発生したあと、1巻のラストにかけて大きな事件が勃発します。それは砂クジラの安定を揺るがすような大事件であり、主人公のチャクロは、大きな渦に巻き込まれていくことになります。
プロローグとして1巻分をじっくり使ってきており、「早く2巻が読みたい!」と思わせる終わらせ方です。なかなか読み応えのある一冊となっています。
たいてい1巻の発行部数は少なめです。また新しいシリーズの発見はなかなか難しいもの。もし、書店で「クジラの子らは砂上に歌う」1巻をみつけたらそれは僥倖(ぎょうこう)というもの。ぜひ手にとって、年末年始の読書対象に加えてみてはいかがでしょうか。
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