生まれて初めて「速度」を見ました。
ただいま開催中のTOKYO DESIGNERS WEEK 2013にて、インフォバーンのアートディレクター木継則幸さんと、moff代表の荒川健司さんが共同で制作した「Subject World」を体感してきました。
こちらはアートディレクターの木継さん。「情報を伝える方法を広げていきたい」そんなシンプルな思いから生まれたプロジェクトです。
「Subject World」は、インフォメーションをグラフィックでみせる“インフォグラフィックス”をカラダで体感できるというもの。簡単に言うと、カラダを使って情報を理解する、ということです。
今回は「速度」を体感するというテーマ。使うものは、ゴーグルのようなヘッドセット「オキュラス リフト」という装置と、イヤフォン、マウスの3つです。
ヘッドセットを装着すると、そこに広がるのは砂の大地と青空。ヘッドフォンをつければ、耳に優しいソフトな音響が流れます。この空間はまるでダリの絵画の背景のようで、ミルキーで広くてなんとも気持ちがよく、不思議な感覚に陥りました…。
「世界感を楽しみつつ“速度”に集中してもらうためには、デザインは抽象的になりすぎても、具体的になりすぎてもいけない。そこのバランスをとるためにこんな世界感にしたのですが、現実世界とはまた違った異空間を楽しんでほしいと思います」と、木継さんは語ります。
フィンランド人のインターン生、Eeviちゃんも挑戦です。
多数のキューブが自分に向かってブンブン流れてきます。ときに、キューブが自分にぶつかってきそうなスリルもあります。
マウスをクリックすることで、通常の速度とその1/5の速度の2種類を切り替えることができます。
体感できるのは、「乗り物」「動物」「スポーツ」「自然」の4種類。例えば、乗り物だったら、プリウス、新幹線、フェラーリなどがそれぞれのスピードで流れていきます。自然では「くしゃみ」や「津波」「音」など。同じ分野でそれぞれが比較できるのが分かりやすく楽しいです。
そして、文字がのったキューブに視点を置いたまま後ろをみると、速度が表示されます。
3Dで360度見られるので、カラダを回転させると速度表示とともに流れていくキューブを見送ることができるのです。
音なんかはヒューンと頭の上を抜けて、あっという間に後ろへ流れて行ってしまいます。音って速いんだなぁ…と直感的に理解できます。教育のツールとしても最適だと思いました。
今回のテーマは速度でしたが、今後は容積、距離だったり、コンテンツのバリエーションを増やしていきたいとのこと。そして、新たなデバイスをつなげてジェスチャー入力を取り入れるなど、インタラクションのレベルを上げていくことも共同制作者の荒井さんと考えているそうです。
TOKYO DESIGNERS WEEK 2013は、11月4日までの開催です。
今後も「Subject World」のプロジェクトは続きます。次に体験するときには、さらにもう一歩進んだワクワクを味わえるかもしれません。今から楽しみです。
[出展者 | 木継則幸(INFOBAHN)/荒川健司(moff) , TOKYO DESIGNERS WEEK2013]